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219話 「左馬刻様曰く、ステータス」 ページ26

鏡に映る自分が綺麗になっていくね。すごいね。
ピンクのアイシャドウは似合わないと思っていたけど、こうすればいいんですね。承知です。お姉さんがハイライトを塗っている間にいろいろな部分を見て確認していたわけだが、見ている鏡の端っこに気になるものが映った。

『あ、ちょっとすみません』
「?……どうしました?」

一言告げてから振り返ったが、死角で見えなかった。鏡に視線を戻すももうその光景は映し出されていない。
俺が一瞬だけ見た気がしたものは、明るい茶髪の女の子とその背後に立つ男。その二人の間に光る鈍色。

「口紅、赤が強い桃色にしておきますね」
『え?……うっす!』

なんの確認かは知らないけど元気に返事をしておいた。
あ、今更だけどさ………この化粧品メーカー、いわゆるデパコスってやつじゃん。









で、化粧が終わって数分後。
店員さんに化粧のコツを教えてもらっていると左馬刻さんがふらりと戻ってきた。
俺の顔面をまじまじと見てくるので本日二度目のSAN値チェックが入りそう。

「ん、上出来」
『貶してます?』
「褒めてるわ。じゃ、使ったヤツとあとなんかテキトーに」
「ありがとうございます。ご予算の上限はありますか?」
「ねぇ」
「かしこまりました」
『………は!?』

たっぷり三秒考えた。
リアクションが遅れたのは許してほしい。
そして俺がわたわたしている間に会計を終らせるのはやめてほしい。どういうスマートさだよ速さがえげつねえよバータさん超えてるよ。

「おら、次行くぞ」
『え、いや!ちょっと左馬刻さん何考えてんですか』
「あ?」
『に、睨まないでくださいよ………』
「チッ……んだよ」
『いや、なんで化粧品……俺が持ってても猫に小判ですよ』
「お前に聞いても返事返って来ねえからな。聞くのやめてお前で遊ぶことにしたわ」

ニィと笑った左馬刻さん。え、なにそれどういうこと。
ぽかんとしてればくしゃくしゃと頭を撫でられた。

「クソダボは黙って引っ付いてこい」

まずは服だなと呟いて歩き始めた左馬刻さん。我に返って慌てて追っかける。
何が何だかわからないが、せめて荷物を持とうと彼の腕に掛かってる化粧品メーカーのロゴが入った紙袋を貰おうとしたが普通に却下される。

『せめて持たせてくださいよ』
「断る」
『なんでですか』
「ガキにはわかんねえよ」
『タピオカはダメで化粧品はオッケーってどういう基準……』
「ふはっ、こいつは男のステータスだっての。分かったら大人しくしてろ」

220話 「困った時は右」→←218話 「だってヤクザですしお寿司」



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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年5月26日 20時

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