213話 「死に場所の希望とかありましたら」 ページ20
コーヒー飲み終わったらそのうちどこかに行ってくれるだろうと高を括っていたわけだがそんなことはなく。今日謝ることは諦めようと心を決めたのに、一向に俺の正面から気配が消えることはない。どういうことだってばよ。
何がどうなってんだとフラペチーノを飲むふりしてちらっと本から顔を上げた。
本当に何の脈略もなく顔を上げたのに、スマホをいじってたいたらしい左馬刻さんとばっちり目が合う。えー、なにそのシンクロ。奇跡かよ。望んでねえ。
「まだ終わんねえのか？」
『え？』
「それ」
どうやら待たれていたらしいですん………は？
いやいやいや意味が分からない。終わるも何も正直文章は入って来ねえから進んだのは二ページだけだし、まずもって最初の謎である銃兎さんじゃなくて左馬刻さんがいる意味すら分からないってのに俺の脳みそではキャパオーバーだ。誰か神童を、三郎君を呼んでください。
「お気になさらず帰っていいですよ、日を改めてきっちり謝罪しますので」……っとあぶね、また出ようとしたな。下手な事言ったらこのまま捨てられる。どこにって勿論目の前の海に。
『まっ……たせてました？』
「……別に」
『残りは暇なときに読むんで。すみません』
「おー……んじゃ行くぞ」
立ち上がってゴミ箱に自分の飲み終わったゴミを捨てている左馬刻さん。慌てて本をバッグに突っ込み、フラペチーノを全力で吸引した。頭キーンってなったが気にしてられない。代わりにバッグの中で待機しっぱなしだった銀を肩に乗っけて俺もゴミを捨てる。
意外にも店を出たところで待っててくれていた。あ、でもいなかったらいなかったで逃げれたから………複雑。
「行きたいところあるか？」
『え゛』
どういう風の吹き回しですか。つーかいまだに謎が二、三個残ったままなんですけど。
でもここで質問以外の事を喋るのは難易度が高い。質問してんのに質問で返すんじゃねえとか怒られそう。これ以上キレられるのはまっぴらごめんだし、それで海に捨てられたりなんてしたらそれこそ目があてら………え、行きたいところって。
『………望みの場所で殺してやるとかじゃないですよね』
「何言ってんだ」
『はは、冗談です』
眉を寄せられて言われればずりっと下がりながらハンズアップするしかないだろう。選択肢ミスれば撃たれるくらいの覚悟で選んだ方がいいし、余計なお喋りもこの際厳禁だ。折角まともに喋れるようになってきたと思っていたのに振り出しどころじゃない。
214話 「急に聞かれても困る質問」→←212話 「ウサちゃんに代わりまして」
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています(￣▽￣)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください！応援しています。 (2019年6月3日 18時) (
レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます！毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください！ (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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