174話 「金レイア、銀レウスは希少種です」 ページ30
「誰も認めてくれねえ、助けてもくれない……中途半端な強さを持てば余計に危機に陥る」
『擁護し、可愛がる奴らは疑え……信じれるのは自分の身体、金、そして信念』
「そこだよ、そこ」
『え？』
「俺にはその信じれるものが幾分か多かった」
『…………だから？』
「あー、だから………なんつーかな」
チラリと隣を見ればガシガシと髪の毛を掻きながら言葉を探している。
どこか昔を思い出しながらも先の言葉を考える横顔。綺麗な言葉を探しているんじゃないのだろう。この顔はきっと「山田家長男の山田一郎」の顔ではない。
「癪かもしれねーし、不快にさせちまったら悪いけど」
『おう』
「俺は、お前の考え方とか、こう言われたらこうされたらこう感じるんだろうなってのが」
『うん』
「ほぼほぼドンピシャで分かる……と、思う」
『……なんで？』
「今のAは、辿らなかった未来の俺だから」
もはや癖のように否定しかけた口を噤んだ。
「お前の事を分かってる」「理解している」と今まで何度言われただろう。引き取ってくれた優しいフリした大人だったり、保護施設の人間、口を割らせようとする警察、いじめられっ子から逃げるために俺を利用しようとした奴……幾度となく言われた言葉。
何度も何度も言われて、何度も何度も心の中で笑った。でも、一郎の言葉は笑えなかった。
ただストンと腹の一番下に落っこちただけ。
「だから、分かる。Aが強いことも、Aに足りないものも」
『……』
「……っつーことで、山田一郎亜種！」
『ブフッ！！……言い方！』
「ん？希少種のほうがよかったか？」
『オイコラ、それ俺がモンハン知らなかったらスベってんぞ』
せっかくのシリアスモードをぶち壊した歌龍A亜種はケラケラと笑っている。
ほら、こういうところだってそっくりだ。
俺だってここまで来れば分かっている。一郎の目線の動かし方、言葉の選び方、行動……嫌って程に似てるんだ。
自分と似たような人間がいる。そして、決定的にどこかが違う。いや、どこかなんて濁さなくても分かるけど。
「まあ、山田一郎亜種に頼みがあるんだけどさ」
『できる事なら』
「ちょーっと言うのも恥ずかしいんだが……俺が甘えたいときに甘えていいか？ほら、いっつも兄ちゃんやってたらさ」
分かんだろ？とはにかみながら言う一郎。それに笑いながら頷いた。
わかる、わかるよ。だってお前は俺の亜種だもの。
だからきっと、それは自分の為に見せかけた俺の為。
175話 「俺氏、脳筋疑惑」→←173話 「言い訳程度の生きる意味」
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マカロニ - 夢野さんとの絡みが凄く楽しみです。どのように知り合うのか…。これからも楽しみにしています。 (2019年5月6日 20時) (
レス) id: 9866c7f19c (このIDを非表示/違反報告)
蛇58(プロフ) - 推しってONE PIECEでの推しとかだと思った〜マジびっくり (2019年4月8日 23時) (レス) id: 0dda0db49d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - バイオお好きなんですね……私も大好きです。母がガチ勢です。一章の泣けるぜとあうんから察してましたけどばいおおおお((作者さんと語りたいですアシュリーのぱんつとレオンの尊さとエイダ様の美しさについて。面白いです！！更新頑張ってください！ (2019年3月24日 0時) (レス) id: bd41a59bf6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - こ、これからもお体に気をつけて頑張ってください！( *｀ω´) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
椿 - も、もう…しゅき、しゅきすぎる………！(語彙力の低下) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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