169話 「どこふくろう」 ページ25
途中で乗り換えのため乱数と別れて、電車に揺られて到着した駅のホーム。
二郎に到着した旨を伝えると【いけふくろうのところで待ってて!】と言われた。
………いけふくろうってどこよ。駅員さんに聞くか。
いけふくろう前にどうにかこうにか辿り着くことに成功。人多いし広いし心折れるわとげんなりしていれば既に二郎が待っていた。うわあ、俺の方が遅かったパターンかよ。
「二郎」と名前を呼べば、スマホの画面から顔を上げて俺を見た二郎がパァッっと笑顔になった。
「Aちゃん!」
『どうにか来れたわ……でも今から遊ぶっつってもさあ』
「それなんだけど……俺んち来ない?」
『えっ……でもいいのか?』
夕飯の準備とかあるだろうし、夜に突然人様の家に上がり込むってのは中々に難易度が高い。
今日まで二郎とは数回遊んでいるが大体はゲーセンだったり、本屋に行ったり、ファミレスで駄弁ったり、公園でスケボー教えてもらったり的なことでしか遊んでいない。あ、おかげでスケボー結構乗れるようになったんだぜ?
「大丈夫!さっきにいちゃんに聞いたけどいいって言ってたし」
『あ、そうなの?』
「晩飯もAちゃんが来てもいいようにカレーにするって。あ!泊ってもいいよ?」
カレーはFridayって理鶯が口ずさんでたな。何の歌なんだろあれ。まあ、今日は事実金曜日なんですけど。
そわそわとこちらの返答を伺っている二郎にちょっと待てと言いつけて少し離れる。遅くなるという旨を理鶯に連絡しなきゃだから。
人に電話するときに離れてしまうのは若干の職業病みたいなもんだから許してほしい。まあ、離れなくていい人間が近くにいる時はアレだけど。
『あ、もしもし』
《A、どうした?》
『友達の家で夜ご飯御馳走してもらうかもだから遅くなる』
《左馬刻と一緒ではなかったのか?》
『あー……色々あって』
《承知した。帰りは近くまで迎えに行こう》
『だいじょーぶ。あんまり遅くなるようだったら泊っていいって言ってるから』
《承知した》
じゃ、と残して通話を終了させる。
こっちをじぃっと見る二郎に指でマルをつくって笑顔を向ける。また弾けんばかりの笑顔を貰った。あー……可愛い。
「じゃあ行こうぜ!」
『うおっ!バッカ、引っ張んなよ!!』
「ごめんごめん!」
『あ、ちょっとスーパー寄って行きたい』
「なんで?」
『友達の家行くときってなんかもっていかねえ?』
「気使わなくていいよ!」
『えー、じゃあ俺が食いたいってことで』
170話 「次元を超えて」→←168話 「碧棺左馬刻には亡霊が見える」
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マカロニ - 夢野さんとの絡みが凄く楽しみです。どのように知り合うのか…。これからも楽しみにしています。 (2019年5月6日 20時) (レス) id: 9866c7f19c (このIDを非表示/違反報告)
蛇58(プロフ) - 推しってONE PIECEでの推しとかだと思った〜マジびっくり (2019年4月8日 23時) (レス) id: 0dda0db49d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - バイオお好きなんですね……私も大好きです。母がガチ勢です。一章の泣けるぜとあうんから察してましたけどばいおおおお((作者さんと語りたいですアシュリーのぱんつとレオンの尊さとエイダ様の美しさについて。面白いです!!更新頑張ってください! (2019年3月24日 0時) (レス) id: bd41a59bf6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - こ、これからもお体に気をつけて頑張ってください!( *`ω´) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
椿 - も、もう…しゅき、しゅきすぎる………!(語彙力の低下) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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