7話 「俺はイケメン………なんでやねん」 ページ9
『少し……一人にしてくれ』
「って仰ったのよ！その時の顔の美しさと言ったら」
キャァァァ！と黄色い声が上がるのは休憩室。
夢香と名乗った彼女は先ほどAにこの世界を説明してくれと言われ、一通りこの時代や政治の事を話し終わって退出したところだ。検査に立ち会っていた人間もいるため、突如無花果様が連れてきた謎の美形の話題で持ち切りだ。
「無花果様の美しさや凛々しさも素晴らしいけど、A様の強さや格好の良さも素晴らしいわよね……」
はぁ、と談話室に漏れるため息は一人の物ではない。
女子は得てしてこういう話が好きなのだ。だから、部屋の四階からロッククライムさながら壁をつたって降りた人間がいようといまいと、関係ないのだ。
『うし、逃げるぞ！』
部屋にあった様々なものを詰めた(パクった)でかいバッグを握って気合を入れたAは、走り出した。いわゆる、脱走である。
『銀、この世界とんでもねえな』
「キュイ」
声を潜めて会話をする俺たち。
何を隠そう積み荷の中だからだ。壁の外に出ようとしたが、どの出入り口も見張りやらがいるわけであってホイホイと通れない。一発でばれる。捕まってしまえばそれこそあうんって感じなので、こうやって壁の外に行く積み荷に紛れているというわけだ。
『取り合えず、俺もう一回さっきの事反芻するから、銀はなんか違うところあったら教えてくれ』
「キュイ」
『まず、俺はイケメン』
「………」
『ツッコめや相棒』
「……キュ」
『役目すましやめてよね……』
女性が政権を握るこの世界。武力は廃され、代わりに声を武器として優劣を競う男たち。俺が今から抜け出そうとしているこの中王区は女性のみが入ることを許される……女尊男卑の世界。
『男の税金は女の十倍……なにがどうしてこうなってんだよ。おまけにあの高い壁』
車が停まり、何やら話し声が聞こえる。どうやら壁を超える前のチェックのようだ。扉をあけられてくまなく探されでもしたら終わるが、そんなこともなく再び動き出したようだ。
『武力を廃された世界に放り込まれて……あれ、俺ったら存在価値なくね？』
「キュイ！」
『全力で肯定しないでよ……てかさあ、能力使えないんだよね』
「！」
『さっき火を出そうとしたけど無理だった』
暗いから指先炎にして照らそうとしたけどできなかった。
でも身体能力、腕力は落ちていなかったから、きっとそこだけ引き継いだのだろう。
落ち着いたら自分の把握もしなきゃな。
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カルラ - ゴファッ！！ なんだこれは、、、、、 めっちゃいい！ (2019年5月22日 16時) (
レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;｀)これからもよろしくお願いします！ (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにｗありがとうございますｗ (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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