39話 「年齢詐欺にもほどがある」 ページ42
目を丸くしている理鶯さんに苦笑いしながら銀を再び兎に戻した。
どーだと自慢げな銀の頭を撫でてやると嬉しそうに鳴き、あろうことか理鶯さんにもリアクションを求めるようにまあるい目をぱちぱちと瞬かせた。
『こいつは木刀に変身できる。ただし泳げない』
「そうか……名実ともに相棒なのだな」
「キュイ!」
理鶯さんに言われたことがよほどうれしかったらしく、俺を見てフンスフンスと鼻を鳴らす銀は本当にかわいい。癒し。ニコニコしながらわしゃわしゃその白い毛を撫でる。
「貴殿らは何時から一緒なのだ?」
『三年前?……だっけ』
その通りと大きく頷いた銀。
そうか、と笑う理鶯さんに俺もちょっとだけ気になったことが。
『理鶯さんはいくつなんですか?』
「小官は二十八だな」
『二十八ィ!?』
「見えないか?」
『もっと若いと思ってた……つか、なおさら敬語になりますわ』
「それは承諾しかねるな。貴殿とは対等に喋りたい」
名前も呼び捨てでいいなんて言われるから流石にそれは断った。八歳も年上の人間を、しかも理由もなく呼び捨てにできる図太い精神は流石にない。(前の世界では役職柄呼び捨てで呼んでる部分はあったけど、この世界は元居た世界と感覚変わんないしね)というわけで丁重にごめんなさいしたわけだが、あからさまに理鶯さんがおしょげになった。
表情ポーカーフェイスなのに「すごく無念」といったオーラである。一周まわって器用なのではなかろうか。
そして折れてしまう俺もいい加減にしたほうがいい。
『わ……わかったよ。ただ、人前とか公共の場ではさん付けで呼ぶぞ、流石に』
「ああ!……ありがとう、A」
心底嬉しいですと言った顔で笑った理鶯さ……じゃなくて理鶯にバッ!と視線を外した。ダメだ、二十八歳男性(ロリ)だ。言っちゃ悪いけど可愛すぎやしないですかこの人。無駄に顔の造形がいいせいでなおさらである。
「A?」
『や、あの理鶯さん。その笑顔で見ないでくれます?心臓が止まる』
「………」
『………理鶯!』
「さん」をつけたのが気に食わなかったのか真顔にスッと戻ってじぃっと見てきたので名前をヤケクソで叫んだ。満足したらしい二十八歳ロリは再び心臓に悪すぎる笑顔をうかべると俺の頭を優しく撫でた。
あーーーー、俺の心臓もつかなーーーー?大丈夫かなーーー??一緒に住むとか言ったけどそのうち心臓が「ムリィ……」とか言って止まらないかなーーー!!!???
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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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