16話 「トラップ発動!!」 ページ18
本当にちょっとした興味だった。
話している歌龍のトーン、表情、話し方からしてヒプノシスマイクでの攻撃は相当応えたのだろうということ、そして何やら隠していることがあるのも把握できた。
ならばとヒプノシスマイクで脅し、向かってきたところでどれほどのものか計らせて貰おうと思ったわけだ。まあ、いい攻撃を二つほど貰い、膝までついたわけだが。
認めざるを得ない、彼女は立派なソルジャーだ。それも相当強い。
それに懐も広いようだ。彼女は小官の無礼な行いにも激昂することはなく、赦免してくれた。
彼女の事が分かったのは大変僥倖だったが、問題が一つ。彼女に警戒されている。
「………やはり小官が怖いか」
『うっ……そんなことは』
「嘘はつかなくていい」
『………少し』
申し訳なさそうに視線をヒプノシスマイクに落としながら答える彼女。
「気を悪くしたならごめんなさい」と付け加えた彼女に困ってしまった。一度攻撃されそうになった相手を警戒するのはごく自然な事だ。こちらもその可能性があると分かっていて尚、興味関心の為に動いたのだから気を悪くすることはない。客人がもうどこかへ行ってしまうのは非常に残念だ。銃兎や左馬刻ら以外の来訪は珍しく、少し羽目を外してしまったのが原因だな。
「もうここを離れるか?」
『あ……いえ、迷惑じゃないなら居座ってもいいですか?恥ずかしながら、しばらく居場所がないんです』
「ああ、歓迎しよう」
予想外の反応に、年甲斐もなく喜ぶ自分がいた。
色々危ない人だが、俺をどうこうしようという俺自体に対する悪意は今のところ感じないので、行くところがない悲しい俺は居候させていただくことにした。ヒプノシスマイクを使われそうになるのは怖いけど、まあ恐らく大丈夫だろう。興味関心でやられるなら、最悪でも重症で済むと思う。
俺に居候を許可した毒島さんはというと、またお花を飛ばしている。ほんわかしちゃうじゃないですか。この人の凄いところは満面の笑みとかではないのにほんわか〜ってオーラが見えることだ。
そんなことを考えていれば突然ガランガランと鈍い金属音が鳴り、背中がビックゥ!と跳ねる。な、何事です!?
「どうやら、獲物が罠にかかったようだな」
『え、獲物……』
「来るか?」
立ち上がった毒島さんにコクリと一つ頷き、俺も立ち上がった。居候するということはご飯も……ね、うん。文句は言えないから。言えない……から。………どうかまともな動物でありますように。
17話 「カッコいいヤツは欲しくなるから仕方ない」→←15話 「カムバック毒気!!!」
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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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