１３輪＊デートのお誘い ページ13
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side:he
俺が関係を持ちかけてから数日。
「なぁ、明日暇？」
「明日……うん、お休み」
「じゃあデートせぇへん？」
でーと。……でーと。
………………デート……？？
俺の言葉を繰り返して、
コテン、と首を左に傾けるAちゃん。
「だって俺らカレカノやろ？」
「いや…でもそれは、」
「ニセモノやから、って？」
こくり、と頷く。
確かに偽物の関係で。
実際は付き合ってすらないけれど。
でも俺、ニセモノでも彼女できるのなんて
何やかんや2年ぶりくらいやし、
ちょっとくらいこの状況楽しんだってえぇやん？
って、一人で納得して、
渋るAちゃんに構わず押した。
「なぁえぇやろ？ いいカフェ見つけて行きたいんやけど、男一人じゃ恥ずいねん」
「あー」
それなら、まぁ、と曖昧に頷いたAちゃんに、
よしきた！ と指を鳴らして、
俺は半ば強引に約束を取り付けた。
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side:you
(……でーと、)
翌日の朝。
クローゼットを開け放って、
手当り次第洋服を引っ張り出す。
ベッドの上に散乱したワンピースやらスカートやら。
かれこれ2年間着ていないそんな可愛い奴らは、
黙ってクローゼットにしまい直した。
「……どうしよ」
付き合ってないから、これはデートじゃなくて
ただ2人で遊びに行くだけなのに。
西川さんがデートだと言うから
にわかに緊張してきてしまった。
あぁもう、あのバカニセ彼氏…っ！
取り敢えず、可愛らしさは抑えた、
だけどまぁ一応性別の区別はつくかな、
みたいな中途半端な洋服を選択してみる。
鏡の前に立って……うん、悪くない。
荷物を整理して部屋を出る前にもう1度、
クローゼットから1枚のスカートを手に取った。
落ち着いた紺色で、チュール素材のそのスカートは、
可愛くて女の子らしくて……2年前に一目惚れして
即買いした、一番お気に入りのものだった。
…………例の詐欺に、遭うまでは。
「……」
履いてみようかな、なんて
小さく芽を出した刹那の思いも、
あの忌まわしい過去を思い出したら、
一瞬で塗り潰されて、消えてしまった。
黙ってそのスカートをクローゼットの中にしまう。
…その作業が他の洋服より丁寧になってしまうのは、
まだ女の子らしかった頃の自分への未練だ。
もう一度、鏡の前で身なりを確認して
……うん、完璧。
女の子らしさとか、
そんなのどうだっていい。いいの。
スニーカーの妻先を鳴らして履き慣らし、
私はアパートを出た。
( だって西川さんは、…本物の彼氏じゃないんだから )
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雛*(プロフ) - usaminさん» usaminさん初めまして、コメントありがとうございます^ ^ 拝見させていただいて、確かに同じ作品だなと思いました(；_；) 前回同様様子を見ようと思ってます。ご報告ありがとうございます…！ (2018年1月14日 8時) (
レス) id: a68c4eee09 (このIDを非表示/違反報告)
usamin(プロフ) - はじめまして。 同じ内容の石川慎吾選手の作品を書いてる方がいました。題名は慎吾くんの彼女 です。 勘違いでしたらすみません。 (2018年1月10日 14時) (レス) id: 3fefd0df9e (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - ゆーんさん» ご報告ありがとうございます；；そちらTwitterの方でもご指摘頂いてまして…とりあえず、あまり騒ぎ立てないで様子を見ようと思います。ありがとうございます(；；) (2017年10月23日 10時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーん(プロフ) - まる。っていう方が同じ内容の中島選手バージョンで書いてるんですけど、、、こちらの方が早く書き始めたと思いコメントしました。気のせいでしたらすいません。あまりに同じだったので (2017年10月23日 2時) (レス) id: ea8f485ffa (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - 満月さん» 満月さん初めまして〜！ コメントありがとうございます´`* とっても嬉しいです(；；) 頑張ります！ これからもよろしくお願いします◎ (2017年10月18日 21時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛*
| 作成日時：2017年9月10日 12時
