佰肆拾肆頁─作戦開始 5─ ページ9
No Side
「────し君、敦君!」
「...っ!すっ、すみません」
横からかけられた大きな声に敦はビクッと肩が上がる。
その声の主は谷崎であり、彼は眉をひそめて心配そうな表情を浮かべていた。
「大丈夫?何かぼーっとしてるように見えたからさ」
「...少し考え事をしていました。心配をおかけしてすみません」
頭を下げて謝る敦に、谷崎は「いやいや、敦君が大丈夫なら善かったよ」と胸の前に手を上げた。
二人は小型強襲機[夜烏]に乗り込み、作戦の実行を始める。
ヘリの中はプロペラの回転する音やエンジン音しか聞こえず、作戦の最終確認などの会話は行われていない。
その理由は単純。
彼等はあまりの緊張にそのような事をする頭を無くしていた。
「(あぁ...どうしよう。あんな偉そうな事云って失敗したら...あああ、家に帰りたい)」
「心配ないよ、敦君」
頭を抱えて心の中で嘆く敦に谷崎の心強そうな言葉がかかる。
敦は僅かな希望を掴むようにゆっくりと其方に視線を移すと
「ぼ、ボクが操縦してるから、だ、大丈夫!」
谷崎の声は今までに無いほどに震えていた。
顔は強ばっており、操縦機を握る手には汗が滲む。
「こういう時は深呼吸ダヨ、深呼吸」
「...えっ?ぬ、ぬいぐるみが喋った!?」
突如、機内に響いた聞き覚えのない声。
その発生源を簡単に突き止めた谷崎は、思わず操縦機から手を離しそうになるほど動揺する。
そして同じく隣から聞こえてくるはずの声が無いことに彼は疑問を感じた。
「あ、敦君は知ってたの...?」
「はい。Aさんから渡された時に僕も同じような反応をしましたので」
戸惑いの含まれた質問に敦が苦笑いで答える。
彼の膝の上に座っているフルールはもう何度もされているであろう反応に喜んでいるように見えた。
谷崎が、ふぅ...と深い息を吐く。
善い意味でその場の空気を壊したフルールの声に、二人の緊張は少しばかり緩和したようだった。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時