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佰陸拾壱頁─空虚─ ページ27

『やっぱり綺麗だなぁ...』




と或る高台で私はそっと呟いた。

目の前に広がるのは、数えきれないほどの建物と青い海と空。

そよ風程度に吹く風が長い髪をなびかせ、肌に当たる感触は何とも心地よく感じる。


この素晴らしい光景も今日で見納めになるのかもしれないのだ。

だからこそ私はその光景を嫌に思ってしまう程じっと見つめ、絶対に忘れまいと目に焼きつけていた。

しかしそれに反して気分は重く、此処から動きたくないと思っている自分も少なからずいた。


忙しく聞こえる木々の葉っぱのこすれる音。

微かに聞こえる車や工事の音。


自然と人工の音に溶け込むように、誰にも聞かれないように。

飛行機雲を遠くに眺め、堪えきれない思いを溜め息と共に吐き出す。




『運が悪けりゃ...うん...結局、あれも判らずじまいだし』




全部紙に書いてきたから大丈夫とは云っても、どうしても何か大切なことを忘れているような感覚が何故かずっと頭から離れなかった。

何度頭を悩ませても、まるで無限迷宮に囚われているかのように何も浮かばない。

むしろ思い出そうとすればするほど、それにかかった霧が濃くなっていく気さえした。


唯一、判ったことと云えば────




『これ付けてきちゃったけど大丈夫かな』




左の手にはめた一つの指輪。

銀色のリングに紫色の小さな宝石がついている。

宝石の値段にはあまり詳しくないが、その輝きは小さいながらもそれなりの値段はするのだろうなと思わせた。


これは私がポートマフィアに所属していた頃から手元にあった物。

自分で買った記憶は無く、片付けをしていたら仕事机の引き出しの奥から出てきたのだ。

困惑して同僚に相談したら即答で「持っときなよ」と返された。


“何故付けてきたのか”と聞かれれば、私は“何となく”と答えるだろう。

何となく、これを付けていると心が落ち着き、安心出来る気がしたのだ。

佰陸拾弐頁─空虚 2─→←▽


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作品ジャンル:アニメ
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani  
作成日時:2018年7月14日 17時

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