佰伍拾壱頁─モウ一人ノ立案 5─ ページ16
画面に映る、白と黒。
距離があるため僅かに粗つくそれを拡大して確かな形で目に捉える。
白の人物は案の定敦君だったが、私はその対照に思わず息が漏れた。
その黒い外套を纏った人物は敦君の姿を認めると、何処か嬉しそうに目を見開いた。
それとほぼ同時に敦君も驚きの表情を浮かべる。
しかし次の瞬間には形相が変わっていた。
口を大きく開け、大声で何かを叫んでいる。
当然の如く此方には音声が届かないので何を云っているのか正確には判らないが、私は何となく彼が対面した相手の名前を叫んでいるように感じた。
徐々に遅くなっていく映像の進行。
フルールは比較的人の間に割り込まない優しい性格だ。
恐らくこの二人を無視して先を急ぐようなことはしないだろう。
『...さて、どうしたものか』
腕を組み、んーっと頭を悩ませる。
こういう時の為に声を掛けた能力者がいるにはいるのだが、まだ異能の準備が────
ピピッ
『っ!』
突然鳴り響いた機械音に、私は心臓が飛び出でたのではないかと思うほど体が素早く小刻みに震え上がった。
しかし直ぐに迷いなく一つのモニターへと視線を向ける。
着信音は機械ごとに少しずつ違っており、一つとして同じ音は無いからだ。
少しずつといっても“ド”が“レ”に変わっているような違いではなく、“ド#”になっているような本当に小さな違い。
それには絶対音感というものが必要不可欠になるのだが、私の場合は昔組んでいた人物と過ごしているうちに自然と身についていた。
個人的には彼女に無理矢理ピアノを弾かされたからだと......いや、今はそんな事を思い出しているほど暇ではない。
私は壁に掛けられた大きめのモニターに映し出された文字を黙読した。
【異能の準備が出来ました。フルール君に声を飛ばせます】
機械の割にはやけに丸みを帯びたその文字。
私はそれに思わず突っ込みを入れそうになるが今はフルールに指示を出さなければならない。
再び視線を映像へと戻し、口を開いた。
『フルール、その二人には構わないで。早くフィッツジェラルドさんの部屋に向かって』
無論フルールに繋がるマイクなどは存在しないがこの異能にそんなものは必要ない。
私が言葉を発したのとほぼ同時に画面に映る映像が縦に揺れた。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時