佰肆拾陸頁─作戦開始 7─ ページ11
「...本当なんですか?」
「あぁ。大方手薄な隙を狙ったつもりなのだろう。だが、このタイミングで組合主力が白鯨を離れる動き...不自然と思わなんだか?」
敦の顔面蒼白の問い掛けにメルヴィルは依然変わらぬ面持ちでそう返す。
否定されなかった最悪の結末に言葉が出ない。
彼の中で何かが崩れ落ちる音がした。
そんな敦の様子を見かねて代わりにフルールが口を開く。
「勿論思ったヨ。だから、それを読んで記録係のボクを潜入させたンダ」
「...君の持ち主は此方の行動予測が得意なようだな。ならばこの事も想定の範囲内なのだろう」
メルヴィルはゆっくりと椅子から重い腰を上げる。
「この白鯨の落下地点には、武装探偵社とポートマフィアの拠点も含まれている。既に降下は開始しており、一時間足らずで地上に激突する」
敦の心に更に追い打ちをかけるその事実。
彼は焦りを隠すことなくそのまま表に出した。
「この白鯨が貴方の異能なら、貴方なら落下を止められる筈です」
「確かにこの白鯨は儂の異能...じゃが、今や内部の七割を兵器置換され、もはや儂に操作能力はない」
「聞きましたか太宰さん!直ぐ作戦を中止して、避難しないと...」
敦は即座に太宰へと連絡を入れる。
普通であれば敦の云う通り作戦を中止し避難を勧めるだろう。
しかし太宰の返答は敦が思っていたものとは全く違っていた。
「...敦君、よく聞くんだ。作戦に変更はない。君の手で白鯨の制御を奪取し、落下を阻止するんだ。それが出来るのは、今白鯨にいる君しかいない」
太宰から伝えられた作戦続行の意。
敦はそれにハッとし、ある事に気付く。
それは先の先まで見通されたものであり、敦は静かに問うた。
「太宰さん...太宰さんも、この事態を予測していたんですね?」
「可能性の一つとしてね。それも含めて君を適任者と判断した。Aがフルールを君に預けたのも同じ理由だ」
“やれるかい?”
たった五文字でありながら、他のどんなものよりも重いその五文字。
敦は口を噤んで目を瞑る。
彼の頭の中で様々な感情がぶつかり合う。
そして目を開き、前を見据える。
鋭く引き締められたその目には、誰にも揺るがすことの出来ない決意が色濃くあった。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時