Story 13. ページ14
「……あるいは、それをアーラだと気づかずに何者かが見つけてしまっている可能性も無い訳では無いが、この線は薄いと見た方が無難だろうな」
というか、そのような事は凪斗自身が許せない。なんていう謎根拠には、流石にAも苦笑いを零してしまったが。
「ただ──探しても意味は無いが、探すためには情報が必要だ。情報は、人の多く居る場所に集まる。だから、これから大都市へ向かうぞ」
「向かう……? ここは人の集まる都市──大都市、では無いのですか?」
「……確かにここは栄えた都市ではあるが……所詮、これから向かう“メトロポリス”とも称される大都市には及ばないだろう」
A達がやってきたこの都市と一･二を争う相手である大都市は、この世界における中心地であり、“メトロポリス”と呼ばれる事もある。
その大都市が中心地だと人々に認識されているから、例え他の都市がどれだけ栄えても、豊かになっても、それを上回る存在になる事は無い。
──だが、今彼女達が居るこの都市が、彼の大都市と肩を並べる程に栄えているのは確かであった。
「……その為、第二の都市である、俺達が今居るこの都市は“ウィル･ビサイド”とも呼ばれている」
メトロポリスと称される大都市には、人々や情報、物資などあらゆる物が集まる。ウィル･ビサイドと称される第二都市には、それらを扱う探偵が集まる。人によってはどちらも求められるべき街々ではあるが、二つの都市の特徴は全く異なっているのだ。
この二つは主に、中心地──メトロポリスと称される大都市に、その意志の傍ら──ウィル･ビサイドと称される第二都市、という構図である。幸いか否や、この第二都市から大都市まではそう遠くも無い距離にあった。
「メトロポリス……ウィル･ビサイド。そんな話、初めて聞きました」
「そういう序列を気にしているのは街の住民くらいだからな。他の街々からして見れば、お前のようにどちらも同じに見えるんだろうに……」
面倒な話だ、とAの声にそう答えた凪斗が軽く肩を竦める。Aや颯太のような、両都市のどちらにも住んでいない者達の認識は、これまで通り、最低限“大都市”と“第二都市”で良いだろう。
わざわざ一般化されていない名称まで記憶に留めておく必要は無い。寧ろ、今回の旅ではあまりに不必要な情報であるものなのだから。
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フェイル(プロフ) - さにー☆彡さん» 初めまして! コメントありがとうございます! 細々と連載していくつもりでしたのでコメントをいただけるとは思わず、本当に嬉しいです! まだまだ勉強中ですので恐れ多い褒め言葉です;; 今後も頑張らせていただきます、よろしくお願いいたします! (2018年12月9日 21時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 初めまして、突然のコメント失礼致します。とても綺麗な文章に感銘を受けました……！ これからも陰ながら応援しています。更新頑張って下さい！ (2018年12月8日 9時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2018年12月1日 22時
