酒瓶が1本 ページ14
ああ、本当にやっていられない。
留まっていた駐屯地付近でクリーチャーが出たというから、現地の魔法使いと協力して倒そうとしたのだが、如何せん彼らは効率が悪過ぎる。仲間の魔法の利点すら活用せず、馬鹿の一つ覚えの様に特攻するだけ。阿呆にも程がある。当然クリーチャーにも苦戦していた。
だから俺が指示を出そうと言ったのに、彼らは無駄な遠慮ばかりした。「単独者の方に迷惑は掛けられませんから」? もう既に掛かっている。これ以上掛けたくないなら素直に従え。
面倒だったから、影魔法でクリーチャーの影を操り、脳を貫いた。どんな生物だろうが、脳が機能停止になれば死ぬ。
一瞬で倒されたクリーチャーに、魔法使い達は目が点になっている。
「おい、君達」
「はっ、はい! 何でしょうか!」
「多少の連携くらい取れる様になれ。犬でももう少しまともに連携するぞ」
「は、はぁ……?」
「魔法にも撹乱向き、攻撃向き、支援向き……様々なものがある。それを理解して最適な場面で利用しろ」
「わ、かり、ました……ご指導、ありがとうございます」
明らかに不満そうな魔法使いを置いて、踵を返し駐屯地から離れる。最近はどこの駐屯地も駄目だな。危機感が薄いとそうなるのも仕方が無いのか。矢張り留まるなら神樹付近の駐屯地に限る。あそこはアグノマギアという脅威があるから、連携も戦略も戦闘技術も洗練される。
影魔法で、自分の影から黒く大きな梟を出す。その背に飛び乗り、行き先を告げる。
「──神樹付近の駐屯地まで」
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メイドのもも(プロフ) - 桜花で更新します (2020年5月19日 9時) (レス) id: 3d1581623e (このIDを非表示/違反報告)
梨兎(プロフ) - 更新終わりました! (2019年12月19日 4時) (レス) id: f393b65561 (このIDを非表示/違反報告)
梨兎(プロフ) - 鈴ノ枝 海景で更新します! (2019年12月19日 4時) (レス) id: f393b65561 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月姫(プロフ) - 更新完了です! (2019年12月19日 3時) (レス) id: 876f512bd1 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月姫(プロフ) - 夜遅くにすみません!マグノリアとオーベロンの1話ずつ更新します! (2019年12月19日 2時) (レス) id: 876f512bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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