【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ8)

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7.夢か現か① ページ8

－Aside－

A「……ッ！はぁ、はぁ…」

夢から目覚めると知らない天井があった。
そうだ、私はあのクズの所に戻ってきたんだ…。

どうやら部屋に連れてこられてすぐ眠ってしまったようだ。
そう考えながら目を擦ると涙が流れていることに気づいた。

A「久しぶりに…あの夢見たからか…」

涙の原因は先程まで見ていた夢だろう。
過去の記憶でありながら未だ鮮明に映るあの日の夢。

－12年前

歌手の母とコックの父、その間に産まれた私は至って平凡な生活を送っていた。
母譲りのダークオレンジの髪と目が好きなただの8歳の少女だった。

その日はある国に仕事に行く母にどうしてもついて行きたい！他の国を見たいの！とせがんで父と共に母について行っていた。

だが、物資が少し足りないと途中の島に立ち寄った。その島がオルフェウン島だった。

島に着いたとき、私たちに領主がある提案をしてきた。そこから悪夢が始まったのだ。

領主「私はコンラード・ジョルジュ、ここの領主です。いやぁ、私アリシアさんのファンでしてな。ぜひ今夜、私の屋敷で歌って頂けませんか？もし来ていただけるなら物資等はお礼として差し上げよう。なんなら食事や今日の宿もご用意致しましょう！」

母「あら、ごめんなさいね、お気持ちはうれしいけど、私たち早めに国に着きたいのよ。」

父「ここにも物資のためだけで数時間もいないんです、お誘い頂いたのにすみません。」

この時、断る両親を阻んだ者がいた。

A「なんでー！？泊まろうよ！」

それは私だった。
故郷以外の土地を知らないため行ってみたかったのと、母の歌を好きな人がいて嬉しかったのとで両親にどうしてもと強請り、結局両親は仕方ないなと笑って領主の誘いを受けた。

ここで私があんな事を言わなかったら、なんなら私が母の仕事に着いていかなかったらあの悪夢は無かっただろう。

その日は母の歌を聞いたり、美味しい食事を食べたり(デザートのフルーツは不味かったけど)と平和に過ごしたが、事件は次の朝起こった。