【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ38)

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37.病の原因ページ38

－Aside－

A「こんにちは、お姉さん！俺たち旅のものなんだけど教えて欲しいことがあるんだ」

私と船長は街に皆がかかった病について調べに出かけている。

店員「やだぁ、お姉さんだなんて！なんだい、坊や？」

A「こっちは俺の兄ちゃんなんだけど、植物学者でさ！色んな島の植物について調べてんだ！この島特有の植物あったりする？」

「流行病の情報は無かった、この島特有の食べ物か何かの毒の可能性が高い」
との船長の見解から、今回は植物学者の兄(船長)と弟(私)という設定でさりげなく聞き出すことにした。

店員「この島でねぇ…」

客「あれぐらいじゃないか？ほら、頭があっつくなって足が死人みたいになるキノコ！」

ロー「！詳しく聞かせろ」

店員と客が言うには、3年ほど前に「コウテイデスダケ」というキノコによる食中毒が流行ったという。
頭は高熱、下半身はまるで死体のような冷たさになり、あまりの温度差に30時間以上生き延びた者はいないという。

A「30時間…！？そんなヤバい病気どうやって治まったの？」

店員「そりゃあ、この島のドクターのおかげよ！」

ロー「そんな凄い医者がいるのか」

客「ああ！あの人の腕は世界一さ！病が流行った時、ドクターがあっという間にワクチンを作ったんだ！」

店員「そのおかげで病気になった人は多くても死者は少なかったんだよ。」

今ではワクチンもあるし流通しないよう村長さんが管理してるし、安心さね！と笑う店員。

そのとき、隣から「A」と名前を呼ばれ、意図を察した私は船長に軽く頷いた。

A「そんなすごいお医者様なら、俺会ってみたいよ！な！兄ちゃん！」

ロー「ああ、お目にかかりてぇもんだ。」

店員「それなら、村長さんの屋敷に行ってみたらどうだい？ドクターは村長のお抱えだから屋敷に居るはずだよ」

客「村長さんもお優しい方だ。きっと歓迎してくれるだろうよ！」

ロー「村長の屋敷か。行ってみるよ。」

A「お姉さんたちありがとー！」

店を出て村長の屋敷の方へ歩みを進める。

ロー「さっきの話のドクターと村長…怪しいな」

船長が、変装のためのいつもとは違う帽子を深く被り直しながら小声で呟いた。

A「そうですか？」

ロー「杞憂ならいいんだが…。取り敢えずその屋敷に向かって話を聞くぞ。」

A「了解です。」

同じ医者だからこそ分かることもあるのだろうか。
難しい顔をする船長の後ろを追い掛けながら私は返事をした。