34.料理の王子様 ページ35
−Aside−
A「どうしよう…」
私は、市場の店を見ながら途方に暮れて呟いた。
キッチンの修繕にスクイードさんが立ち会うとの事で私が代わりに食材の買い出しをすることになったが、
A「(食材の善し悪しがわかんない！)」
今までは誰かと買い出しに来てそれを手伝う形だったからどれが新鮮なのかなどが分からないのだ。
うーんうーんと悩んでいると後ろから声を掛けられた。
？「お困りですか？レディ」
振り向くと、金髪に爽やかなブルーのワイシャツとスーツを着た男の人が居た。
A「えっと、私あまり買い出しに来たことがなくて…どれが新鮮かとか分からなくて…」
？「よかったら手伝おうか？俺も買い出しに来たんだ」
A「いいの？迷惑じゃ…」
？「君のような可愛いレディのお供ならいつだって大歓迎さ〜〜♡♡」
骨が無くなったようにクネクネする男性に驚きつつも、お願いすることにした。
サン「俺はサンジ！君は？」
A「…アリシアです。」
なんて素敵な名前だ〜！と回る彼を無視して次の店に向かう。
A「次はここに寄りましょう！」
サン「このフルーツはサラダなんかにも使えるし長持ちするぜ」
A「こちらは？」
サン「鮮度的にちょっとなぁ。こういうのが良いならこっちのはどうだ？味も似てるし新鮮だ！おっさん！これ多めに買うからちょっと安くしてくれ！」
サンジさんのおかげで安くて新鮮な食材をたっぷり買えた。荷台はパンパンだ。
A「サンジさん、ありがとう！たくさん買えたわ！」
サンジ「こっちこそ、楽しかったぜアリシアちゃん♡荷台重くないかい？よかったら送るよ？」
A「大丈夫！ここで兄さん(ペンギンだけど…)と待ち合わせなの！」
サンジ「そうか、じゃあ俺はこれで。」
A「本当にありがとう、サンジさん！」
サンジ「またね〜ン！アリシアちゅわ〜ん♡」
あっという間にサンジさんの金髪は人の波に呑まれてしまった。
困った時に助けてくれて、女の子に優しくて金髪のイケメン…こういうヒーローみたいなのなんて言うんだっけ…そうだ…
ペン「待たせたな、A。」
A「王子様みたい…ちょっと女好きみたいだけど。フフフッ」
ペン「は？王子様？」
A「なんでもないですよーっ！」
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作者名：かみつれ | 作成日時：2020年5月22日 16時
