【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ16)

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15.悪魔との結婚式② ページ16

－no side－

(コツ、コツ…

花嫁であるAが執事服を着た男とヴァージンロードを歩く。

周りにいるのは家族でも友人でも無く、結婚相手の仕事相手や兵士のみ。

(…コツン

結婚する二人の誓いを見届ける神父の前に着くと執事服の男は花嫁から離れ、花嫁の目の前には白いタキシードに身を包む花婿が立っている。

領主「母親に似て随分イイ女に育ったじゃないか、ん？」

A「…」

煽るようにニヤニヤと話す領主の言葉にもAは言葉はなく、ベールに包まれた顔にも動きはない。

Aが黙っているうちに神父が誓いの言葉を始める。

神父「新郎、コンラード・ジョルジュ。貴方は病める時も健やかなる時も新婦を愛することを誓いますか？」

領主「ああ！誓おう！…死ぬまでな」

神父「新婦、ウルシュヴァイン・A。」

神父「貴方は、病める時も健やかなる時も新郎を愛することを誓いますか？」

A「わたし、は……」

この時、Aの頭に仲間の姿と、首の痣を見た時のローの言葉がよぎった。

(ロー「安心しろ。何があってもお前は俺の船のクルーだ。」)

神父「…誓いますか？」

黙ってしまったAに神父がもう一度問いを繰り返す。

A「わたし…は、…私は！」

ベールを床に叩きつけAは目の前の領主を睨んで叫ぶ。

A「誓わない！！私がこの命を賭けるのはただ1人！！ハートの海賊団船長トラファルガー・ローのみ！」

領主「なっ！貴様ァ！！(ゴンッ」

A「ウッ！！…何をされようと、お前のようなクズに誓うことなど！何一つない！！！」

領主に殴られようがAの言葉は覆らなかった。もう1発、と領主が再び拳を振り上げたその時、教会の扉が開いた

ロー「よく言った、A！！」

開け放たれた扉にはグレーのタキシードを着たローと、白いタキシードを着た十数名の男女が居た。

A「なんで…なんできだんでずがぁ！」

涙で言葉も危うくなるAに口々に声が掛かる。

シャチ「仲間だからに決まってんだろ！」

ペン「迎えに来たぞ、A！」

ベポ「皆で帰ろう！A！」

Aの視界は涙で歪み、あまりの嬉しさにしゃがみ込む。

ロー「行くぞ、お前ら。Aを取り戻せ！」

クルー「アイアイキャプテン！！」