【ONEPIECE】月が綺麗だと、そう言って2【トラファルガー・ロー】 (ページ12)

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11.悪魔落とし② ページ12

－ローside－

領主「例年よりこの行事が遅れたこと、悪く思う！存分に厄落とししてくれ！！」

そう領主が民衆に叫ぶと、木の柵の中に高さ2メートルの全長3メートル程だろうか。黒い毛並みに金色の目をした狼が現れた。

「厄よ去れー！！」
「この悪魔め！！！」
「でてけー！」

民衆の投げた石は狼の身体にあたり、傷をつけていく。どれも軽傷だが、投げつけられる石の数が大量のためダメージは多そうだ。

10分ほど経った時、狼が悲痛な叫びを上げた。

狼「ギャウウウウウン！！」

よく見ると右脚から血を流している。石にしては傷が鋭く深いため、元々傷があったのだろう。そこに石が投げられて叫んでいるようだ。

領主「鎮まれ！動くな！」

泣き叫ぶ狼に領主が声高らかに命令すると狼は一際大きな鳴き声をあげた後体の動きを止め民衆からの罵りと投石を静かに受け始めた。

ロー「…胸糞悪ィ。行くぞ、ペンギン」

行事だと生き物を嬉嬉として傷付けるのも狼の悲痛な叫びにも嫌になった俺はペンギンを連れて船に戻った。

ペン「捜査班！なにか情報はあるか？」

船に戻りクルー全員で情報の共有を行った。

イッカク「3日後に領主の結婚式が行われるようです。」

ロー「Aと…か？」

イッカク「恐らくは。でも、島民は花嫁の姿を見たことがなくて…。式自体も身内のみでひっそりとやって、花嫁の公表は後日改めてという事になっているみたいでAの情報はありません。」

ウニ「こっちは領主の情報を集めました。領主の名はコンラード・ジョルジュ。15年前に父親が死去。その後領主の座を継承したものの、元々素行の良い男ではなかったらしく島民からはよく思われていなかったらしいです。」

だが、先程見た領主は随分信じられ、むしろ信仰の対象のようだった。
それを問うとウニも頷いた。

ウニ「そうなんです。この島は白い狼を神、黒い狼を悪魔として考えてます。…12年ほど前に黒い狼を神から貰ったとかでその狼を従えて行事を行う姿から領主を信じるようになったと。」

行事というのは今日広場で行われていた「悪魔落とし」だろう。

他のクルーからも情報を得るが領主や島の情報はあってもAについてはまるっきり出てこない。

ペン「ここまで出てこないとこの島にいるのか不安になりますね…」