＊ ページ38
ザンッ！ 倒れてきていた木が二つに斬れた。だんっ、と地面を踏み抜いて抜いた刀をそのままに、女の子に突っ込んで行く。にっこりと綺麗に笑う女の子は、自分の頸が狙われているなんて考えちゃいないらしい。この野郎！
「あら……後ろがお留守よ、可愛い子」
「っ、は？」
ぎゅるっ、と身体の周りで淡いオレンジが何重にも円を描いた。やばっ、と思いほぼ反射で刀を斜め上に振って糸を斬り、女の子の視線の意味に気づいてその場から跳躍、距離を取る。
すた、と着地したのは女の子からだいぶ距離が空いた所だった。
場所が拓けているわけじゃないから戦いづらい。いやまあ私の型ってどこでも対応できる様にと作ってはいるけど、相変わらず視線が怖くて身体が強張って震えてしまう。その証拠に、刀を握る手は微かに震えている。
いい加減この手の視線にも慣れなきゃいけないのに未だに慣れないのは本当に歯痒くて腹立たしいことこの上ない。
「まだ質問に答えてもらってないわ可愛い子。あの時、どうして罠だって分かったの？」
くすくすと笑いながら聞いてこられても警戒を解いたりしない。けれど無言っていうのもなんだかな。答える暇よこせって言ったの私だし。
「…………視線だよ」
「視線？」
「あの時、あの隊員が引っ張って行かれる直前。視線が向いた。獲物を捕らえたみたいなそんな視線」
「ふぅん、視線……。だから止めたのね？」
無言は肯定。
くすくすと笑う女の子はきっとそれが分かっていて。
「そう、そうなの。じゃあ答えてくれたお礼に、あたしも良いことを教えてあげる」
「良いこと？」
なんだろう。見逃してくれるとか？ まあお前が見逃しても私はお前を見逃さないから意味ないがな！！
「貴方のお友達。生きてるわよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 552人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユズヒ(プロフ) - nogiruka03161さん» コメントありがとうございます！ 絶世の美少女とはなんと嬉しいお言葉。夢主が聞いたらドヤ顔で調子に乗りますね。その認識で大丈夫です！それ故に言葉遣いや所々の残念さが目立つというか際立つというか玉に瑕……みたいな感じです！ (2019年10月7日 23時) (
レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
nogiruka03161(プロフ) - 前から思っていたのですが、夢主の美少女レベルはどれくらいなんでしょうか。主要人物は、禰豆子ちゃん、胡蝶姉妹、カナヲ、蜜璃ちゃん、鬼側なら堕姫と、美少女や美人が多いですよね。善逸の過去の発言や鬼に容姿で目をつけられるあたり絶世の美少女と認識してます。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: 5ed8b171b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます！個人的に善逸との絡みは私も書くの好きなのでそう言って頂けるととても嬉しいです！鴉は焼き鳥になりました。 (2019年10月5日 19時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 巫女ちゃんと善逸の絡み好き。善逸と残ってあげるの今まで見たことないからおぉこれいいなって思った、デス。(ちょっと鴉風)あと善逸の優しさと巫女ちゃんの赤面好きそれをからかう鴉も (2019年10月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます！手紙だとあいつは大体おちょくってくる奴です。そうなんですよ！絶対可愛いなと私も書きながら思いまして！！絶対！！可愛い！！！ (2019年9月22日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユズヒ
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年9月16日 16時
