* ページ14
すっと指差したのはやっぱり私の頭。今日は外に出て行ってないから簪もしてないんだけど……。因みに簪はお婆さんに預かってもらっている。だってこの部屋に置いてたら壊されそうだし。ううん、禰豆子ちゃんの視線はなんだかミステリアスで分かり辛いんだよね。
簪でもないとすると……あ、もしかして髪?
「おんなじ髪型にしてみたいの?」
「む、む!」
「美少女の髪を合法的に触れる大チャンス到来。よしきた任せて」
どうやらお嬢様は私の髪型……あれ、ポニーテールに根元を三つ編みで一周したやつをご所望の様子。
私に背中を向ける形で座ってもらってる間に本を近くに置いて立ち上がり、お借りして部屋に置いたままの櫛を取ってきた。元いた場所に座り直してその髪を掬い上げ櫛で梳いていく。
ひっっっっっえさらっさら……。美少女は髪の毛まで美少女……。
「痛かったら言ってね〜」
「む〜」
あーーーー可愛いんじゃーーーー。長い横髪を残したまま櫛を使って髪を上に上にと持ち上げていく。絶対可愛いよこれ。どうしよう。
…………あれ。
「おおっと……」
……髪結ぶ紐が無い。結ぶってのに紐がなかったら結べねぇな!? 忘れてたわ私の馬鹿野郎!! いや待てどうしたもんかな。うーん私の紐使おうかな。
「失礼致します」
「あ」
未だ尚ばたばた走り回る音が響く部屋に、別の声が入り込んだ。見てみればそこには部屋の内側の襖を開けたお婆さんの姿。おいお前ら走り回るのやめろや。
「こちらを」
「え」
お婆さんが私達の方に歩いてきたかと思えばそう言って髪紐を一本渡してきた。え、え。…………え?
「ありがとう、ございます」
ぺこり、と頭を下げてお礼を言う。お婆さんは「いえ、ではこれで」と言って部屋を出て行った。…………マジか。
「善逸が妖怪って言ってたの、分かるわぁ……」
あれは確かに妖怪かもしれない。
553人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユズヒ(プロフ) - nogiruka03161さん» コメントありがとうございます! 絶世の美少女とはなんと嬉しいお言葉。夢主が聞いたらドヤ顔で調子に乗りますね。その認識で大丈夫です!それ故に言葉遣いや所々の残念さが目立つというか際立つというか玉に瑕……みたいな感じです! (2019年10月7日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
nogiruka03161(プロフ) - 前から思っていたのですが、夢主の美少女レベルはどれくらいなんでしょうか。主要人物は、禰豆子ちゃん、胡蝶姉妹、カナヲ、蜜璃ちゃん、鬼側なら堕姫と、美少女や美人が多いですよね。善逸の過去の発言や鬼に容姿で目をつけられるあたり絶世の美少女と認識してます。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: 5ed8b171b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!個人的に善逸との絡みは私も書くの好きなのでそう言って頂けるととても嬉しいです!鴉は焼き鳥になりました。 (2019年10月5日 19時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 巫女ちゃんと善逸の絡み好き。善逸と残ってあげるの今まで見たことないからおぉこれいいなって思った、デス。(ちょっと鴉風)あと善逸の優しさと巫女ちゃんの赤面好きそれをからかう鴉も (2019年10月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!手紙だとあいつは大体おちょくってくる奴です。そうなんですよ!絶対可愛いなと私も書きながら思いまして!!絶対!!可愛い!!! (2019年9月22日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年9月16日 16時