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「普通はそうなんじゃ。鬼なんか御伽噺の中の存在として認識されておる。時が経つにつれ、認識というのは薄まっていくものじゃからな。つまりな、あの村が異様なんじゃよ。あの村の人の子等は全員鬼がおると信じて疑っとらん。だからこそ社に供え物をする。だからこそ守ってほしいと祈る。その風習も認識も、大正の世になった今でも廃れとらんわけよ」

「……なにそれ。ちょっとゾッとしちゃったじゃん。そんなん夏のホラー特番とか世にも奇妙ななんとやらでしか見たことないんだけど」

「あ、ちょっとそれは儂よく分からんのじゃがな。近くに村とかが無いからかのぉ。閉鎖的な空間じゃと、あやつらは信仰を絶やすことが無いらしい。まあもっとも、鬼を信じとるなら鬼狩りの奴らも知っていて然りなのじゃが……儂が長いこと鬼狩っとるからかのぅ……あやつら、鬼狩りの存在を知らんのよ」

「鬼狩り、ってさっきの鬼殺隊ってやつ?」


そうそうと頷く神様は未だに一点を見つめたままだ。それでも声や喋り方は呑気だからなんだか違和感しかない。
マジでそんな村あったのか。テレビの中だけの話かと思ってた。特にあの、あれ。貧乳の自称美人マジシャンが出てくる一応サスペンスドラマ。あの話に出てくる村の宗教観半端なかったよね。私マジ怖かったもん。

がさっ。近くで音がした。木が風に揺れる音じゃない。これは明らかに、何かが植物の枝にぶつかってる音。


「……なに?」

「儂の側から離れるなよ」


視線を真っ直ぐに向こうに向けたまま神様は言う。
がさがさと音は近づいてくる。というか、こっちに向かってきている。だんだん大きくなる音に、身体が強張った。
そして。暗闇の向こうから、それは姿を現したのだ。


「…………え?」

*→←第3話 神様のお仕事



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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月11日 20時

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