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そうだろうか。いやまあ確かに、前世の記憶持ち越しの異世界人なんて些か盛りすぎだと自負はあるけど、変わってる、とはこれ如何に。


「普通そこは責めるところじゃないかの? 今まではそうだったんじゃが」

「神様が気まぐれとか今更でしょーよ。だって違う存在よ? そんな存在が、私達の為に色々してくれるとか都合が良すぎるってもんでしょ」

「お主、変わっとるのぉ〜?」

「さっきも同じこと言った」


胡座をかいた膝に頬杖をつくそいつは、心の底から私のことをそう思っているようだ。神を自称する奴に変わってるなんて言われてもって感じだけど……。


「ねえ」

「なんじゃあ?」

「鬼って、ほんとにいるの?」

「……ほう?」


これには興味を持ったらしい。手のひらに置いた頰を持ち上げて、神様は私を見つめた。


「いや、わかるよ。小さい頃から言い聞かせられてたもん。鬼が出るってさ。だからあんたに守ってもらう為にお供えだってしてきた。でもさ、でもさぁ……? 鬼って、さぁ……信じられると思う?」

「…………」

「記憶が、戻る前なら……信じてたよ。大人がずっと言ってたからね。言い聞かせられたから。でも、今は違うじゃん? 前世の記憶、戻っちゃったし……」

「なるほどのぅ? そうかそうか、なるほどのぅ〜?」


うんうん、うんうん、と頷いて、神様は私をじっと見やる。
そして立ち上がったと思うと、壁に立てかけてあった刀を持って入り口の戸を開けた。外は真っ暗。月明かりと星明りでなんとか辺りが見えるものの、それでもやっぱり心許ない。そんな夜闇を背に、神様は私に手を伸ばした。


「来い」

第3話 神様のお仕事→←*



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ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» もうそんなに経つんですねぇ……。長いようで短い一年でした。いつもありがとうございます!映画公開、円盤発売後からも再開するので、またよろしくお願いします!! (2020年7月11日 9時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 気づけばもう神様の巫女は一周年ですね。本編の区切りもついたのもタイミングバッチリですね!今までもこれからも、この作品が大好きです!応援してます (2020年7月11日 9時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» いえいえとんでもないです!ご指摘頂けたおかげで描写抜けの事にも気付けたので、私としてはありがたい限りです! わー!ありがとうございます!!迷惑なんてことないですよ!これからもよろしくお願いします! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
かなで(プロフ) - ユズヒさん» そうだったのですね……!私の理解が足らず、申し訳ないです。。文章の書き方が凄く好きなので、作者様の事を推して行きたいと思ってます…!ご迷惑でなければ、仲良くして下さると嬉しいです……! (2020年4月29日 2時) (レス) id: 58d60c86cb (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - かなでさん» なので、文字にしてある構えは抜刀をする際のものではなく、“抜刀をした後の構え”の描写となっております。もし、「いやいやそれでもやっぱりおかしいな…?」となったら遠慮なく仰ってください!ご指摘ありがとうございました! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月11日 20時

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