【鬼滅の刃】神様の巫女 拾弐

＊ ページ3

「あ？ いやお前は別。あいつらのは、あくまで男だってバレねぇようにする為のもんだからな。元から女のお前はそれでいい」

「あれで女装のつもりですか？ 本気で？？」


普通に感性を疑う。女装どころかまともな化粧にすらなっていない。男だってバレないようにするのは納得だけど、だからってこれはあんまりだろう。こいつ、自分はまあ小綺麗にしてるくせに他人には関心なしか。伊之助とか……お顔良いのにもったいないでしょうが！！


「おかえりA。綺麗にしてもらったんだな」

「ただいま炭治郎。その格好は……」

「宇髄さんが、男だってバレないように化粧をしてくれたんだ」

「そ、っかぁ」


すごい。きらきらした目で見てくる。こんなキラキラした目で見られたら、私は何も言えない。化粧の手直しとかしてあげたいけど、こう、こんな、こんな綺麗な眼差し向けられると言いづらい。化粧変だよって。手直ししてあげるって。すっっっっっっごい言いづらい。


「純粋な少年弄んで心が痛まないんですかアンタ」

「別に。弄んでもねーしな」

「このクソ野郎……！！」


せっかく三人には聞こえない声(でも多分善逸には聞こえてる)で言ったのに、思わず声を荒げそうになった。
クソ美丈夫は我関せずといった様子で腕を組んでいる。自分で化粧したにも関わらず、だ。お前に良心とかないんか。……無さそうだな！！！
やっぱりこいつはクソ美丈夫。外見もクソ野郎なら中身もクソ野郎だった。離婚すればいのに。

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