42.君の色を詰め込んだ ページ43
ーAsideー
A「まだ夕方か……」
思ったより経つのが遅い時間に、私は夕日を見ながら溜息をつく。
今日は、船長が居ないため時間を持て余していた。
というのも、船長が王下七武海としての仕事か何かで軍に招集をされたとかで1週間ほど船を空けているのだ。
もちろん仕事や覇気の練習などやることはあったが全て終わってしまった。
その上、皆の手伝いをしようにも「たまには休んどけ」と追い出されてしまい、
結局甲板の手すりに座ってぼーっと空を眺めているだけになっている。
A「(船長がいないと１日１日が長いな……)」
明日は意地でも仕事を貰わなきゃ、船長のことばかり考えて寂しくなってしまう。
今だって、日が落ちようとして橙に赤らむ空を見て、領主の所から連れ出してくれた時のことを思い出していた。
母譲りの髪と目の色を「夕日のようだ」と褒めてくれた時のことを。
A「(早くかえってこないかな…)」
ロー「A」
A「！」
ロー「ちょうどよかった」
A「せ、船長！……おかえりなさい！早いですね！」
考えていたら本当に船長が現れて思わずどもってしまった。
そんな私の気持ちも知らずに船長はどんどん近づいてくる。
ロー「やる」
A「え？」
差し出された手に載っていたのは小さな箱だった。
急なことに驚きつつ、そっと手に取り箱を開けた。
A「これ……ピアス？」
ロー「あぁ。」
箱の中には、先程まで見ていた夕日を詰め込んだような、船長のと似た形のピアスが入っていた。
夕日のような暗めのオレンジ色が、光を反射して燃えるように輝いている。
ロー「サンセットゴールドっつー鉱石なんだと。お前の色みたいだと思ってな」
その言葉に、離れている間、船長も私のことを少しでも考えていてくれたのだと胸が熱くなる。
ロー「A？」
感極まって言葉が出ずにいた私を妙に思ったのか船長が私の名を呼ぶ。
A「船長、ありがとうございます…！」
大事にしますね！と言うと船長は「おう」と笑って、私の持つ箱からピアスを取り出した。
ロー「じっとしてろよ」
船長の少し体温の低い手が耳に触れてくすぐったい。
あと、船長が思ったより近くて困る
ロー「ん、いいぞ」
そんなことを考えている内につけ終わったらしい。
ロー「似合ってる」
さっきまで暇で寂しかった気持ちが船長と会うだけで幸せになる。
私の世界は自分で思うより船長で回ってるんだと思う。
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かみつれ(プロフ) - 静乱さん» 嬉しすぎて見た時叫びかけました笑！楽しみにして下さってめちゃめちゃ嬉しいです！本当にありがとうございます！！ (2020年6月23日 20時) (
レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
静乱 - 「これからが楽しみだな。」えぇ！めちゃくちゃ楽しみですよ！！かみつれさんのペースで頑張ってください！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: bdcfc846cf (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 続編おめでとうございます！ (2020年6月17日 18時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かみつれ | 作成日時：2020年6月17日 9時
