30.愛と喧嘩に流儀など�� ページ31
ーno sideー
時計はもうすぐ12時を告げようとしていた。
ロー「…来たか。」
扉の前に現れた気配に気づいたローが視線をやると、扉がゆっくりと開いた。
扉の向こうが見える直前、何か布のようなものが飛んできてローの視界を覆う。
その向こうからはAが飛び出し、その布ごと飛び蹴りを食らわせた。
……だが、
A「なッ！」
蹴りあげた足は空を切り、踏み付けたのは布のみだった。
ハッと我に返ったAが後ろを振り向くと扉の横にローは立っていた。
ロー「多少は頭を使ったようだが、残念だったな。」
A「……奇襲じゃなくたって、攻撃はできますから！」
そう言って一直線にローの元に襲いかかるAの拳を、彼は軽々と掴んで彼女の身体ごと引き寄せた。
ロー「お前は動揺すると攻撃が単調になるな」
A「ッ！」
ロー「もう、時間だ。A」
そう言われてAが時計を見ると、針は12時を刺していた。
A「そんな………」
ロー「約束だ。お前はここに残れ。」
悲しげに肩を落とすA。
攻撃させまいと掴んでいた手を、ローが優しく握り直す。
ロー「A…」
A「……分かってます。賭けは、絶対ですよね。」
ぐすん、と泣きそうになりながら「でも、ズルいです。」とAが続ける。
A「私だって、船長の役に立ちたいのに。」
ロー「……好きな女くらい守らせろ。お前を失うのは……困る」
A「ほんと、ずるいですよ。」
ばか、船長なんて酷い人です
そう、悪態にもならないような悪態をつきながら、「ばか、ばかです」とAはローの胸板を叩いた。
ロー「フッ……そうだな」
1週間続いた緊張の糸がほぐれたようにローが柔らかく笑って、Aのことを抱きしめた。
ロー「俺は、確実じゃないことは言えない。」
A「……はい」
ロー「ここに戻ってこれるかも約束出来ねぇ。」
A「……ッ、はい」
ロー「だが、もし倒せたら必ずお前の元に戻る。それだけは約束してやる。」
A「……帰って来ないと、皆怒りますからね。」
ロー「そりゃコエーな」
おどけるように言うローに、Aもふわりと笑う。
互いの視線が交差し、唇が近づく。
その時だった。
(ゴンッ！！！！！！
ロー「いってぇ！！！なにしやがる！」
突然Aが勢いよくローの頭に頭突きをかましたのだ。
A「私の勝ちです！！！！」
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かみつれ(プロフ) - 静乱さん» 嬉しすぎて見た時叫びかけました笑！楽しみにして下さってめちゃめちゃ嬉しいです！本当にありがとうございます！！ (2020年6月23日 20時) (
レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
静乱 - 「これからが楽しみだな。」えぇ！めちゃくちゃ楽しみですよ！！かみつれさんのペースで頑張ってください！ (2020年6月23日 19時) (レス) id: bdcfc846cf (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 続編おめでとうございます！ (2020年6月17日 18時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 4774b9ee20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かみつれ | 作成日時：2020年6月17日 9時
