Hope..459 ページ9
〜 海人side 〜
撮影もインタビューも終え、
自分の出番が終わって、俺は楽屋に戻った。
楽屋には誰もいなくて、今は岸くんがインタビュー中だったと思うけど…
他のメンバーはたぶん、撮影スタジオにでも
いるんだと思う。
でも丁度いいかも。
少し、1人になりたい気分でもあったし…
ソファーに座って、水分をとりながら自分のスマホを取り出して見つめた。
LINEには、デビュー組の先輩達やJr.の後輩達、
そして家族からの沢山の “ おめでとう ” を
もらった。
だけど唯一、好きな人からの “ おめでとう ” は
一切こない。
デビューって公式発表されてから、
どこか俺の心の中で、LINEだけでもくるんじゃないか…って期待してたんだけど…
今も尚、こなくて…
デビューした事はものすごく嬉しいし、
ジャニーズの先輩後輩
そして高校の同級生や後輩達の “ おめでとう ”は
嬉しくて嬉しくて、たまらなくて…
唯一、その言葉の欲しい人から、全くないのが俺的に悲しくて辛すぎていた。
海「A、ちゃん…」
全ては傷つけた俺が悪いのに…
この罪悪感はなに…？
なんで…なんで……
“ 海人くん、デビューおめでとう！ ”
この言葉が欲しいだけなのに…
海「…うっ……」
自分から行動して、ちゃんと向き合いたいのに。
ちゃんと目を見て謝りたいのに…
なにもできない自分が恥ずかしい…
そんな感情から思わず、勝手に涙があふれる。
岸「あ、海人、こんなとこにいたのか！」
ガチャ…と、ドアが開いたと思いきや
その主は岸くんだった。
岸「どこに行ってたかと──…って泣いてる？！」
俺の姿を見て案の定、岸くんは驚く。
やばい…なにやってんだろ俺…
海「あ…、ごっ、ごめん！」
俺は咄嗟に机にあった目の前のテッシュを取る。
海「なんでもないから…なんでもない。岸く…ごめ…見なかった事にして…っ、、、」
…にも関わらず、涙はどんどん出てくる。
なんで、とまらないの…
岸「……大丈夫だから。泣け海人」
海「岸くっ…」
岸くんは俺の隣に座って
腰をさするように手を添えて、抱きしめてくれた。
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作者名：みゅぷ〜ま | 作成日時：2019年4月11日 22時
