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その警戒心には威圧が込められていて。
俺の足元にいたヒヨコは俺の後ろに隠れた。
…思った救われ方では無かったけど、このヒヨコの件に関しては助かった。
「勿論ですよ。手伝わせて頂いてます」
「……フーン？…」
「…何か」
許可は取ったと頷いても、ゾムさんの警戒心は拭えない様だ。
信じられないならいっその事ひとらんらんさんから聞いてくれねぇかな、俺も居辛いし、此奴らも怯えちまってる。
小動物に過剰なストレスは駄目だろう。
これ以上は危険だと声をかければ、
ゾムさんはじっと俺を見詰めて。
「…新兵君、俺と一戦やらへん？」
「は？」
爆弾発言を振り落とした。
…その手は常にポケットにしまいこまれているが、
俺はわかるぞ、ソコにはナイフが入ってんだろ？
暗殺部隊隊長のこの人は、身体中武器だらけだ。
「お断りします」
「なんで」
「勝てない物に挑む度胸は無いです」
「ええやん、訓練と同じや」
「止してくださいよ、幹部様直々になんて。
貴方達のファンに俺が殺されたら…責任取ってくれます？」
「ソコは俺が止めたるやん」
少し低く、冷たい声が響く。
頑固な人だな。
はぁ、と深く溜息を吐いて心を落ち着かせれば、
ゾムさんのフードに隠れた顔を見る。
…こういう人には、真正面から行って、受け止めるしかねぇ。
「そんなに、俺が観光客だと思うんスか」
「！」
ピクリと動いたゾムさんに、今度は俺が言い返す番だ。
俺より強いからなんだ、幹部だから、なんだ？
…何も悪い事をしてねぇ俺が、弱気になる意味がねぇだろ。
「一応気付いてはいましたよ。警戒されてるって事。
そりゃあ いの一番に軍の中を彷徨く新兵がいたら、
『軍内の構造を把握し、情報を集める観光客かもしれない』。
しかもひとらんらんさんや…貴方達とも接触してますし」
俺は会えて嬉しかったけどなぁ。
「『俺達と接触して更に情報を集める気だ』。
潜入捜査とか、頭使うの苦手なんでよくわからないんスけど、誰もが考えることッスよね？
…だから、長年此処で励んでいる貴方達が思うのは当然だ」
人を疑うのは悪い事でもなんでもねぇ。当然の事だ。
責めるなんてお門違いにも程がある。
…疑われんのは気分の良い物じゃねぇけどさ。
「ま、俺は観光客じゃないんで堂々とさせて頂きますわ」
これからの俺の行動、言動で感じてくれればいい。
敵か否か、信じるか信じないかは、俺に決められる事じゃない。
自己判断だろ。
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kenma(プロフ) - 好き過ぎる…いつまでも更新待ってます！ (8月15日 12時) (
レス) @page49 id: 23621c8f5e (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 大好きです！！また更新されることを願っています！ (2022年5月5日 18時) (レス) id: 85717083f6 (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの村人B - くぅ.....続きが気になり申す、、、 (2021年12月20日 9時) (レス) @page49 id: 38e13adc7f (このIDを非表示/違反報告)
クルイ@SOS同盟 - あ、好きです...頑張って下さい！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠の芽-にゃお(プロフ) - なにこれ神ですか！？！？！？一気見してこの時間になってしまいました、、、、さいこうですぅうぅつう！！！！！ (2021年2月3日 3時) (レス) id: b4d2a08102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ショイ太郎 | 作成日時：2020年5月29日 8時
