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終わったと思ったら。



.




「Oh…」



無事に兎とヒヨコの餌と水を替えれた俺は、
小屋から出ようと踵を返したが、
なんとその足元には金色の体毛を身にまとった、ヒヨコ。

俺はビシッと固まる。



「(待ってくれ俺そんな物音立てた?細心の注意を払ったつもりなんだが??なんで俺の足元にいるの?なんでそんな俺の足にしがみつく様にわらわらしてるの??嘘だろ可愛い。そうじゃない、そうじゃない俺。踏み潰しちまう、こんなちっさいの、あ、あ、誰か、誰か助けてひとらんらんさん、ひとらんらんさーん!!)」



あまり大きな音を立てるなと言われたから叫べはしない。
好奇心旺盛なヒヨコ達は、顔の知らない俺を円らな瞳で見詰めてくる。可愛いな?でも退いてくれ??


ガサッ


踏みそうで怖くて動けない俺に追い討ちを掛けるように、後ろから。
___正しくは兎がいる方向から音が聞こえた。



「……う、っそだろ…」



つい先日にも言ったことのあるような台詞を吐けば、
俺は後ろを振り返り、ぴょこん、と寝床から飛び降りた兎を見る。

その瞳はゆっくりと俺を見上げると、
見知らぬ物だからだろう、ぴゃっと隅っこに逃げてしまう。

草食動物の本能。仕方がねぇ!!



「た、たすけて…」



ヒヨコに集られ、兎に引かれ。
俺は弱々しく声を漏らすと、シュタッと軽快な音が聞こえた。
救いが来たと、音がした小屋の入口に目を向け、


後悔した。









「_____お前、何でここおるん?」




…どうやら、俺の目の前に現れたこの人は。
救世主ではなかったらしい。




「ひとらんに許可は取ったんやろな?…新兵君」




深く被ったフードの下で、警戒心を隠すことはせずに。
…鋭く、俺を睨み付けていた。

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kenma(プロフ) - 好き過ぎる…いつまでも更新待ってます! (8月15日 12時) (レス) @page49 id: 23621c8f5e (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 大好きです!!また更新されることを願っています! (2022年5月5日 18時) (レス) id: 85717083f6 (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの村人B - くぅ.....続きが気になり申す、、、 (2021年12月20日 9時) (レス) @page49 id: 38e13adc7f (このIDを非表示/違反報告)
クルイ@SOS同盟 - あ、好きです...頑張って下さい! (2021年5月10日 22時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠の芽-にゃお(プロフ) - なにこれ神ですか!?!?!?一気見してこの時間になってしまいました、、、、さいこうですぅうぅつう!!!!! (2021年2月3日 3時) (レス) id: b4d2a08102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ショイ太郎 | 作成日時:2020年5月29日 8時

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