【銀魂】空から女の子が降ってきました。８

第三百訓 ページ8

悪党の申し出を断れば、ソイツは更に顔を歪ませて笑った。無駄に整ったそれに殺意が込み上げてくる。






司欧「悲しいなぁ……お前は仲間が大切じゃないのか」



『っな………どういう、意味だ』






…………嗚呼、殺意を閉じ込めてよかった。この男がなんの算段も無しにここに来るわけないもんな。






司欧「＿＿＿＿＿秘密裏に爆弾を設置させた」



『！』



司欧「滑稽だよなぁ、真選組の連中全員……てめーの首の皮一枚下で爆弾が息を潜めているのを知らずのうのうと息をしている。まあ俺の指一つで死ぬがな」






爆弾。恐らく言い方からして大規模な物だ……天人との取引で得たに決まってる。






司欧「そして起爆が万が一失敗しても朝霧全軍がここに突進する！真選組の情報はある程度掴んでる、朝霧は手強いぞ？相手取るのは難しいだろうな？」





そして更には全面戦争の覚悟、か………世界一嫌だなこのプレゼン。






『……脅しか』



司欧「あぁ。拒んでも良いぞ？此処が真撰組と共に消えても良いなら」






＿＿＿っ、駄目に決まってる。






司欧「もう一度言う。父さんと来い」






＿＿＿＿＿＿嗚呼、嫌だ。嫌だなぁ。


自分の気持ちに嘘をつきたくない。江戸に来てから嘘をついたことなんてない。したいと思うことをした……でもこの男の前では、私に選択肢なんて残されてないから。







『……………はい』







私の答えに、悪党は微笑んだ。







司欧「出るのは夜だ。迎えに来るから準備をしておきなさい」








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




＿＿＿＿＿＿




＿＿＿＿







父が去ると、すぐ部屋に三人が入ってきた。

その姿を見て涙が溢れそうになる。が、下唇を噛んで堪え、笑みを貼り付けた。






土方「どうだった？何か掴めたか」



『特には…けど、今の取引相手が爆弾を重点的にしてる所っぽいですよ』



沖田「爆弾…近頃変に技術進んでやしたがその取引相手とやらが横流ししてんのかもしれやせん」



近藤「じゃあその爆弾の取引相手から探ってみるか！ありがとな、Aちゃん」



『…………いえ、』






嗚呼、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。行きたくないずっとここに居たい、この暖かい所に居たい。それが叶わないなら死んでしまいたい。でも死ぬ権利すらない。誰かに助けて欲しい。





(駄目だ、出しちゃ。今まで通り…



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿飲み込んでしまえ)







『それにしても皆さんお優しい事で！私嬉しいなぁ』



土方「ったく、能天気に笑いやがって。なんかあったら言えよ」



『……ええ』







＿＿＿＿＿＿助けて。って、言えたら良かったな。








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