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『はぁ!?なにそれ、そんなクソみたいなやついたの?
今すぐその不良ども連れて来い、一発顔面ぶん殴ってやる!!』
「お、落ち着けってA」
これが落ち着いていられるか!!
あの後、部員を勧誘し続けたがいい返事はもらえることなかった。
日も傾いてきたため、今日は帝国学園との戦いに向け練習をしに鉄塔広場へ向かっていた。
その最中に、守が昨日不良に絡まれたこと、そいつらが蹴ったボールが守と一緒にサッカーをしていたマコちゃんに当たりそうだったこと、そして豪炎寺君がそれを助けてくれたことを話してくれた。
その不良どもが胸糞悪い…ボールに唾はいた挙句、マコちゃんに怪我させようとしたとか…会ったらただじゃおかない。
『あー苛ついてきた、こういう時は練習だ練習!』
私は鉄塔広場まであと少し、という道のりをダッシュで駆けあがる。
『よーし一番の、』
「……」
『り…』
じゃなかったです、ごめんなさい。
鉄塔広場の頂上に着くと、そこにはなんと豪炎寺君がいた。
夕日を眺めていた視線が、私とかち合った。
「A、どうしたんだ?…て、豪炎寺!」
守は豪炎寺君を見ると、嬉しそうに豪炎寺君に近づいていく。
よしいけ守。そのまま豪炎寺君にダイレクトアタックや。
「ここ、すげぇいいところだろ!俺も小さいころからのお気に入りの場所なんだ!
……なあ、豪炎寺も聞いてるだろ?帝国との練習試合。
メンバー足りなくってさ…声かけまくってるんだけど、誰も入ってくれなくて…
もう一度、入部のこと考えなおしてくれないか?」
お昼休みの時に振られたというのに、守は諦めずもう一度豪炎寺君に勧誘する。
だが彼は何も答えず、再び戻した視線で夕日を眺めるだけ。
「…なんで、サッカーやめちゃったんだ?
もったいないじゃないか!あれだけのキック…サッカー嫌いになったとかじゃないよな…?
好きじゃなきゃ、あんなキック打てないもんな!」
「お前、よく喋るな」
「俺、お前とサッカーやりたいんだよ…!俺たちが組んだら最強のチームができるぞ!」
守はいくら豪炎寺君に遠ざけられようと、必死に食らいつく。
だが、彼の答えは、
「もう、俺に話しかけるな」
冷たく、守を突き放した。
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作者名:白 | 作成日時:2021年11月7日 20時