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部室を飛び出した私は守を探し、見つけたときに彼は陸上部のグラウンドにいた。
そこで守は、見覚えのある人物と話していた。
「なあ風丸、お前一流プレイヤーと競いたいって言ってただろ?」
『それ、絶対陸上の話でしょ』
「A!?来てくれたのかっ!!」
『私も廃部だけは嫌だからさ。
ということで一朗太君、君もサッカー部に入らない?アットホームでみんな優しい部活です』
「なんだそのよくある会社の謳い文句みたいなの…」
彼は風丸一朗太。
守と同じく、私の幼馴染。
持ち前の足の速さを活かし、陸上部でエース的な存在だ。
よく見た目が女子らしいことから、何度も男からナンパされることが悩みの青少年である。
「もしやる気になったらいつでも言ってくれよ!放課後は、鉄塔広場で練習してるから!
あ、そこに来てくれてもいいや!じゃあ!!」
と、一朗太に話すだけ話し、また部員集めのために走っていく。
「…相変わらずだな、あいつ」
『本当ね。昔から、誰よりもサッカー大好きだったから。
…あ、部活の邪魔してごめんね。でも、さっきの話前向きに考えてくれると嬉しいや。
助っ人でもいいからさ』
じゃあまたね。と一朗太に告げ、私は守の後を追う
「サッカー…か」
・
「サッカーなんて何弱の極みぃ!日本男児なら、相撲でごわすよ!」
「うわぁっ!」
『し、失礼しました!』
・
「サッカー部?まだあったの?」
「君たち、かっこ悪いよね〜」
『な、なんだとっ…!』
「お、落ち着けってA!」
・
『はぁ…なかなか見つからないね、新入部員』
勧誘を続けるも、なかなか頷いてくれる人は現れなかった。
というよりも、元々弱小サッカー部として認知されているため、ほとんど笑いもの扱いだった。
「…まだだ!まだ諦めない!とりあえず、片っ端から行くぞ!」
『…そうだね。よし、次だ次!何としても部員見つけるぞ!』
帝国の選手を生で見たい!という完全私情があるのは内緒にしておく。
「A…!
…あ、というかAが選手として出ればいいじゃん!」
『え?』
守は思いついた!と言わんばかりに手をぽんと叩く
「A、サッカー上手いだろ?だからなあ、頼む!」
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作者名:白 | 作成日時:2021年11月7日 20時