サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ17)

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「これより、帝国学園対雷門中学の試合を始めます！
両キャプテン、コイントスを…」

審判が告げている最中に鬼道君は興味ない、と言わんばかりに踵を翻しポジションへ向かう。

「鬼道君、コイントスを！」

「必要ない、好きに始めろ」

何あれ、滅茶苦茶感じ悪いじゃん…。

彼らが試合を申し込んできた理由と言い、あの態度と言い…なんか思っていた帝国学園と全然違う。強者の余裕、というよりは見下しているというか。

圧倒的な力、素晴らしい技術。
彼のサッカー自体は、好きだし尊敬してるけど…何だかなあ。

「挑戦です！これは雷門に対する帝国の挑戦です！！」

『だ、誰…？』

突然隣から聞こえた声にそちらを見ると、先ほどまでいなかった男子生徒が立っていた。

「はい！小生、将棋部の角馬桂太。角馬、角馬と覚えて下さい。
そして今日は、この角間が実況解説を務めさせて――あぁっ！自己紹介をしている場合ではない！

ピッチでは今、ボールがセットされ雷門中学によるキックオフがされようとしています！」

いや、また個性が強いの来たな。

この角間という男子生徒が実況を務めてくれるらしいが、将棋部なのになぜ実況？という疑問は、とりあえず心の中に仕舞っておいた。
　

「さぁ皆！頑張っていこうぜ！」

審判のホイッスルで試合は始まり、ボールを受けた染岡が帝国サイドへ上がっていく。
一人、一人と帝国メンバーを抜き去る。

「すげぇな俺、案外いけるんだな…！」

「行ける、行けるぞ！」

『……これは』

あっという間に帝国ゴール付近まで攻め上がる雷門イレブン。
そして、染岡が勢いよくシュートを放った。

だが、そのシュートは軽々と帝国のキーパー、源田君に止められてしまった。

「あぁっ、惜しい…！」

　
…ウォーミングアップにすらならないってことか、私達は。
帝国学園の動きは、明らかに力を出していない。先程のウォーミングアップのほうが、力を出していたくらい。

明らかに弄ばれている。

段々と、自分の表情が強張っていくのが分かった。