＃１３ ページ16
若武ｓｉｄｅ
記者会見が終わり、沈黙する。
・・・今の、桜宮 彩って、アーヤ、だよな？
３年前より、髪が伸び、より美しく成長していたが、
その、凛とした瞳、心地の良い透き通ったソプラノの声は、変わっていない。
他の奴らも呆然としている。
「・・・美門、お前、何を知っている？」
沈黙を破ったのは、黒木のドスの効いた低い声。
普段はめったに聞くことのないその声に、小塚はビクッと肩を揺らす。
「・・・そんなには知らない。
ただ、昨日、うちのクラスに転校してきたんだ。」
・・・は？おい、それ、”ただ”で済まされるもんじゃねーだろ！
そう思ったのは俺だけじゃないらしく、
上杉は眉を上げ、美門を睨み、
小塚はぽかんと口を開ける。
黒木は腕を組んで、背もたれにもたれ掛かり、
それとは対象的に、七鬼はテーブルに身を乗り出す。
「そんな顔すんなよ。俺だってびっくりしたんだから。」
美門は軽く笑って場を和ませようとするが、それに乗っている余裕はない。
すると、美門はそれを感じ取ったようで、話を続けた。
「本当に俺は何も知らない。
転校してきたとき、姓名は立花じゃなくて、桜宮だったし、俺を見てもなんの反応もなかった。
だから、他人の空似だと思った。」
「そう思い込みたかったんだよ」と、辛そうな自嘲的な笑みを浮かべて小さく言ったのが聞こえる。
「・・・なら、記者会見はなんで知ってた？」
俺の問に、美門は軽く肩をすくめた。
「通りすがりの男子の会話。
お前たちはスルーしただろうけど、桜宮って名前が耳に入って、もしかしたらってね。」
・・・なるほど。
多分、美門が言っていることに嘘はないだろう。
でも、手掛かり欲しさにそれを素直に認められない自分がいる。
「他に、何もねぇのかよっ！」
やってしまった。俺は瞬時にそう思った。
いつもそうだ。頭で言わないほうがいいと判断をする前に、口が先走る。
感情的になりすぎて、何度もKZの解散の危機の原因になるんだ。
いつもならプライドが邪魔をするが、今は。
「・・・悪かった。別に、お前を責めたかったわけじゃない。
ただ、ただ手掛かりが欲しかったんだ。」
アーヤを取り戻すためだ。
俺の言葉に、全員が目を丸くした。
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りぃな(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！！がんばりますね！！ (2019年8月31日 13時) (
レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月31日 6時) (レス) id: 719e5a0d68 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - hiho0227さん» ありがとうございます！！がんばります！！ (2019年8月27日 18時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
hiho0227 - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 8b1270c1d0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます！楽しみにしてくれる人がいて嬉しいです！ (2019年8月26日 10時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぃな | 作成日時：2019年8月16日 23時
