【オリジナルBL】きみのぬくもりが重なるのは (ページ8)

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「・・・・・・ごめんね。」
「・・・？」

謝罪の意味が分からず首をひねる水斗をよそに、優羽は話を続ける。

「今まで、朝起こしてくれたのも、僕が作ったご飯食べてくれてたのも、・・・一緒に住んでくれてるのも、全部、無理して我慢してたんでしょ？」
「・・・は、お前何言って・・・。」
「今日、見ちゃったんだ。水斗が、男の人と一緒にカフェにいるの。」
「！」
「手袋、着けてなかった・・・ドリンク・・・のんで、た・・・・・・僕が今までやりたくても我慢してた、こと・・・その人にはやってて・・・。」
「・・・・・・」

あれだけ嫌がっていた優羽だが、話しだしたら止まらない。
頭の中で蔓延っていた思いが、次から次へと言葉になる。

「毎日起こしてくれて嬉しいとか、ご飯食べておいしいって言ってくれて幸せだとか、・・・そんな風に思ってるの、僕だけなんじゃないかって思って・・・・・・よく考えたら、他人を家に上げたくない他人の家に行きたくないって言ってたのに、僕と一緒に住むなんて、無理してたに決まってるじゃんね・・・なんで今まで気づけなかったんだろう。」
「優羽、それは」
「もういいんだよ。」

水斗の言葉を遮って、優羽は続ける。

「・・・本当は、手袋なんて着けずに腕を引っ張ってほしい。おいしいと思ったものは共有したい。手袋なしで手をつなぎたい。雷が鳴ってる日は、部屋の前にきて声をかけてくれるだけじゃなくて、一緒に寝てほしい。僕が作ったお菓子を食べてほしい。抱きしめてほしい。抱きしめたい。・・・ちゅーしたい。・・・・・・でも、嫌われたくないから、嫌な思いさせたくないから、言わなかったし我慢できた。・・・勝手に、そんなことしなくても、お互い好きでいられてるから幸せだって、思ってた。」
「・・・っ、ゆう・・・。」
「だけど、あんなところ見ちゃったらさ・・・あの男の人が誰だろうと、僕じゃ水斗の、いちばんに・・・なれないんだって・・・・・・僕ばっかりが、水斗のことが好きだったんだって・・・。うざいでしょ？たかが回し飲みくらいでこんな・・・。言ったって、余計に困らせて気を遣わせちゃうかもしれないって、分かってたのに。」
「・・・・・・。」

黙り込む水斗を見て、優羽はあきらめたように笑った。