【オリジナルBL】きみのぬくもりが重なるのは (ページ2)

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彼らが出会ったのは高校一年生の春。

入学して同じクラスになったこと、そして、常に身の回りを綺麗に整え、マスクをし、薄手の手袋を着けている水斗の姿に、興味を持った優羽が話しかけたことが、二人の交流の始まりだった。

それから１年と少しが経った高校二年生の夏、優羽の告白がきっかけで恋人同士になった二人は、高校卒業を機に同棲を始めた。

水斗は重度の潔癖症で、手をつなぐことはおろか、握手すら手袋をしていないとできない程だ。
回し食べや回し飲みなどもってのほか。
鍋をつつくこと、おかずを大皿からとって食べることもできず、人の手作り菓子も食べられない。

たとえ、その相手が恋人である優羽だとしても。

だから付き合って三年がたった今でも、抱きしめあう、キスをする等、一般的に言われる“恋人らしいこと”をしたことがない。
だけど、そんな恋人を持つ優羽は、お互いを好きでいられているから毎日幸せだと感じている。

「(本当は抱きしめてほしい。けど水斗が嫌がることはしたくない。)」

だから優羽は水斗のために、我慢している。
　