第四話「安全」 ページ5
大学にて。いつも通り一人、先生の講義を聞いて勉学への熱意を高めていた。
あの日から数日。私は彼の無茶苦茶な発言の嵐から乗り切り見事喫茶店から逃げれた。当分私はあの店には行けないのだろうか。だとしたらあの男を私は許さない。糞が。
「中本さん、いつにも増して綺麗なご尊顔だ。」
「あの人々を見下す雰囲気にさらに磨きがかかっておられる。素敵だァ。」
雑音が聞こえるが此処は無視しよう。私には友達が居ない。故にこうやって一人、静かに講義を受けている。孤独など感じない。私は一人が好きなのだ。他人と合わせるなんて面倒臭い。この響く鉛筆の音も好きだ。集中出来る。
「チッ」
教室の中、軽い舌打ちが響く。なんだ。音のした方へ目を向けるとそこには私の顔を見て機嫌が悪そうな顔をした女子の集団だった。
「マジでキモイ。」
薄っぺらい罵声を私に垂れる女子集団のボスと思われる女子が地面に膝を付け水浸しになった私を蔑んで見下す。
「…知らない女に呼び出されたと思って来たらなんだ。酷いじゃない。人気のない所で押して熱湯をかけるなんて。悲しいわ。」
「そりゃあ良かった。貴女冷たいから暖めてあげようと思って。」
講義の後。女子集団の気の弱そうな女子が私を連れて、大学の裏庭へ迎えられた。なんともまぁ私の嫌いな人種の代表とも言わんばかりの性格である。
「あのさ、良い気になってる所悪いんだけどさ、気持ち悪いのよ貴女。」
「何かした?私。」
「何もしてないから嫌なのよ。それに男子にもモテて。羨ましいわ。その綺麗な顔、見てると自分が醜く感じる。」
うるせぇよブス。
「…どうしたら悩み解消するか教えてあげる。私の前から居なくなれば良いのよ。そしたら私の顔見なくて済むわよ。」
「そしたら単位がヤバいわ。それよりも良い方法を教えてあげる。」
ボスブスは近くにあった手頃なサイズの石を持ち上げ、私に微笑んだ。私は薄々と嫌な予感がしてきた。
「貴女の顔変えれば良いのよ。」
鈍い音と痛い音が私を刺激し、地面に倒れ込む。石で顔を殴られ、至る所から血が出て来た。このブスやりやがったな。そして殴った直後に彼女達は笑いながら逃げていった。
私はふらつきながらも立ち上がり、溜息を着いた。
「…。」
傍観者が居たのか。草場から覗いていた有象無象は慌てた様子で逃げていった。
「はぁ。…本当に、気分が悪い。」
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時