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『ようこそ不思…
…………あ、センラさん』
お決まりの台詞を言おうと最早無意識に言葉を並べるや否や、その入口に立っていた高身長で異様に整った容姿の彼に、不覚にもこの口は止まってしまった。
「お、A!……じゃなくて、今はチェシャ猫やろ?」
『あ、そうだ
よ、ようこそ不思議の国へ!初めましてアリス、私はチェシャ猫。この国の案内人さ!』
「初めましてでもないけど……案内よろしく子猫ちゃん」
『こ、細かいことを気にしてると禿げますよ?
しかも子猫じゃありません!!』
「ふははっ……ほら、仕事しなさい」
宥めるように優しい言い方でからかってくるから、なんとも言い難くて私は頬を膨らませた。それすらも、センラさんはまるで幼い子供を見るかのような目を向けてきたのだ……もう知らない、センラさんなんて禿げてしまえ…
『さぁムナゲ、カフェと迷路……どちらに用があるんだい?』
「ん?今胸毛って聞こえたような……?」
『……細かいことを気にしてると禿げますよ』
「絶対胸毛言うたやろお前!?!?」
『……で、どちらに用があるんですか?』
「………………カフェで」
『ではこちらへ』
入口まで一緒に歩き、その間他愛もない話をした。正直、というか……仕事中なのにも関わらず、楽しかったのは言うまでもなくて。
『ではでは楽しいお茶会を。ばいばいムナゲアリス』
「オイコラ……何やねんムナゲアリスって!きしょいわ!!
はぁ、なんかどっと疲れたけど楽しかったわ……俺のクラスにも来てな?」
疲れた顔で手を振るセンラさんに、私も笑顔で手を振る。彼の口角が上がっていたので、これでお相子ってやつだろう。
『…………さて、次に行くかぁ』
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ!ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです!移行したパート3の方もよろしくお願い致します! (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です!この小説大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました!まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね!(´∀`) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです!とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ!!文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年7月19日 23時