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side…Sr
「生徒会の皆様、もう始まってますよ!」
教室まで全力疾走してAを持ち場まで見送った後、俺らは【staff only】と書いた紙が貼り付けられた、普段空き教室として使われている所へ入った。
すると、突然の俺らの登場に、
飲み物を飲んでいた男子は盛大に吹き出し、
メイクを直していた女子はメイク道具を落とし、
口紅をしていた女子は、それが頬まで到達。
道具などをチェックしていた男子もシャーペンをへし折ってしまった。
……これには流石に生徒会一同困惑。
「いや……な、え?ど、どうした??」
引き攣りまくったうらたの背中を無言で叩いてやると、彼は表情を硬直させたままこちらへ向き返った。
……うらた、わかる。わかるよ…
その5秒後くらいに平常を取り戻した1人の女子が慌てて俺らを着替えスペースへ案内してくれた。
「ごめんごめん、さっきやっと仕事終わってさ…」
「いえいえ!すみません疲れているところ!大丈夫ですか?今日は休んでいますか?」
「んー……因みに誰が今日担当で決まっていたんですか?」
「いえ!勝手に決めるのは気が引けたもので……」
着替えスペースに着くなり謝罪する俺に、クラスメイトとは到底思えないような敬語を使われ、何も言えずに黙り込んだ。……未だに"様"付けされてることとか、違和感でしかないので止めて欲しいに越したことはない。
最初のうちは言い続けてたっけか。そういうのはやめて欲しい、と。結果は現在の様子で分かると思うが、その度に丁寧に断られて終わってしまった。
俺は――――――……
「……それじゃあ、今日は店回っていい?
明日は生徒会総出で出るから、さ」
柄にもないウィンクなんかをして、俺はその女子に悪戯っぽく笑ってやる。案の定その子は困り顔をしたが、その意図は伝わった筈だ。
……な?生徒会役員共
「っ……ですが、」
「そうやな!企画も何もあんまり出れずに任せてきたし、そんくらいのことはせぇへんと!」
「そらるさんに賛成!……あ、でも僕裏方がいいなぁ、なんて」(人見知り&コミュ障)
「俺たちだってこのクラスだしな。……見せ場は欲しいねぇ?」
「あはは!折角の学園祭が事務作業の疲労で不参加とか、笑えなっ!」
……――――俺は、この学園にいるうちに自然に身に付いてしまった階級意識を、変えたい。
それが、俺が生徒会長になることを決意した第一の理由なのだから。
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ!ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです!移行したパート3の方もよろしくお願い致します! (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です!この小説大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました!まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね!(´∀`) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです!とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ!!文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年7月19日 23時