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救いたい。9 ページ11

【Aside】




こんな偶然があるとは思わなかった。
あの時のおばあさんだったなんて。







おばあさん「…これもまた縁なんだろうね。

それに……その様子を見ると、薬を飲んだようだね。」





A「……はい。」





おばあさん「……若いのに、相当な覚悟だ。

確実に薬は効いているよ、安心するといい。」






私は心底安堵した。







これで、“煉獄さんを助ける準備はできている”、

ということなのだから。







安堵したと同時に、小さく咳がでた。



それをおばあさんは見逃しはせず、真剣な面持ちとなった。





おばあさん「……気づいてるだろうけど、その咳は寿命が削れてる症状だよ。例え薬を飲んでも治らない。


治らないのはこれだけじゃない。
あなたは、薬は全て効かない体質になってる。




……つまり、命をあげているあなたが延命するような、救われる術はなくなってる。」









薬は全て効かない






その事実は、覚悟していた。


何となく、この咳で分かっていた。






たとえそうなってでも。


私は護りたい人がいるから。









A「……ええ。覚悟の上です。


私の寿命全てでも、その人(煉獄さん)を救いたい。


その人(煉獄さん)だけじゃなくて私も生きている幸せな2人の未来なんて、望みません。」









ただあなた(煉獄さん)だけでいい。









おばあさんは私の覚悟が伝わったのか、

何も言わずに微笑んだ。









隠・救護班

「雪柱様!!お怪我は!?」





A「私は無いわ、その3人の治療を。」







____全てが片付く頃には


おばあさんはいつの間にか消えていた。









───────────
───────────────────







姿を消したおばあさんは、月夜に一人微笑む。







おばあさん「……あの子は薬をあげるにふさわしかった。


あの子の命を救う術も薬も、私にさえもない。









……たった一つを、除いては。」








.

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ゆりと白鳥(プロフ) - 松野星月さん、コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!!これからもどうかこの作品をよろしくお願い致します! (2022年3月13日 21時) (レス) @page30 id: ba1b5c2a6b (このIDを非表示/違反報告)
松野星月(プロフ) - 泣ける感動続き楽しみにしてます (2022年3月13日 7時) (レス) @page21 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - あこさん、コメントありがとうございます!褒めていただき凄く嬉しいです!更新頑張ります! (2021年10月1日 21時) (レス) id: ba1b5c2a6b (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 待って待って待って???ここに神作品が...?ありがとうございます!おもしろいですこれからも更新頑張ってください! (2021年10月1日 20時) (レス) @page6 id: 4686a1bd88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆりと白鳥 | 作成日時:2021年10月1日 9時

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