脱退。【東海オンエア】 (ページ23)

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#23 ページ23

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携帯からコール音が一定のリズムで鳴っている。

その途中でコール音が鳴り止むと、

「…もしもし？」

と、とても懐かしい声がした。

その声にまた涙がじわ、と出る。

て「…A？」
　「てつや…」

久しぶりに聞いたてつやの声は、以前までの元気はどこへ、と思うほど弱々しくなっていた。

まぁ、私のせいなんだけど。

　「…動画、みた」
て「そっか、」

　「話がしたくて…」
て「…うん、俺も」

て「…明日、事務所きて。そこで全部話す。」
　「…うん、分かった、」

　「…あ、気になったんだけどさ、」

　「なんであの動画、朱里ちゃんいないの？」

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ユ「なんて言ってた？」
　「話したいから明日事務所来て、だって」

ユ「……そっか。東海オンエアに戻るの？」
　「いや戻らないよ。一回辞めといてやっぱ戻ってきましたーとかファンの人たち怒るでしょ」

ユ「そんなことないと思うけどねー」

　「そんなことありますー」
　「それに、明日は戻る戻らないとかじゃなくただ話に行くだけですー」

さっきまでの涙はなんだったのか、と思うほど元気になった私であるが、一方でユキの様子がおかしい。

悲しそうな顔してるし、なんか、

明日事務所に行って欲しくないみたいな感じがする。

…そんな訳ないか。

ユ「ほんとに明日行くの？」
　「行くよ、色々と話したいし。緊張するけど」

ユ「＿＿＿＿＿＿_。」

　「なんて言った？ごめん、もう一回言って？」

ユ「ううん、何でもない。寝よ」
　「…うん」

ユキはなんて言ったんだろう。
なんであんな悲しい顔してたんだろう。

ベットの上で寝転びながら考える。

そんな疑問を抱きつつ、私は眠りについた。

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ユ「行ったってあんたが傷つくだけなのに。」