文豪から愛しい貴女へ

救済 <夢野久作> ページ45

ウミソラさんリクエスト

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Q said

夜は怖い

人形をぎゅっと握りしめて涙を拭う

ずっと頭の中に響くんだ

狂って、騒いで、殺してる人達が

それを見てるときは面白いのに今は違う

怖い、でも誰もいない

「此処がお前の場所だ」

そう言って僕の前にある鉄格子が開いて白い髪の女の子が投げ込まれた

咄嗟すぎてぼくの涙は止まった

「イタタ……もう！何なのよってわあ！？」

「わ、吃驚した」

「貴方も捕まったの？」

「ぼくは元から此処に」

自分で言って悲しくなったな

「私、武装探偵社員、中島Aよ！中島敦の妹十三歳！」

「え、ぼ、ぼくは夢野久作、皆Qって呼ぶ」

「じゃあQちゃんね！私の事は呼び捨てで構わないわ！」

そう言って元気に笑うA

「中島敦って知ってる。太宰さんのお友達だよね」

「そうよ！でも私もポートマフィアの事は知ってるのよ！太宰さんのお友達の中原中也さんとか」

あれは友達っていうかライバルじゃないかな？って言おうか迷ったけど言わずに頷く

「……貴方、先刻泣いてたよね？」

「泣いてないよ！」

「泣いてたもん！私見たよ！何か怖い夢見たの？」

そう言われてぼくは素直に頷く

「ぼくの異能は、凄く悪い異能なんだ。でも使ってる時は楽しいよ。でも夜になったらぼくの異能にかかった人の呪いの声が聞こえるんだ」

敢えてどんな異能か言わずに言う

なんとなくこの子には嫌われたくないなって思ったから

「私も異能を持ってるの。私の異能も人を傷つけさせてしまうの。でも、怖かったら毎日敦兄の布団に潜って手を握ってもらったら安心するよ」

そう言ってAはぼくの手を小さい手でぎゅっと握る

「ほら、あったかいよ。大丈夫。今日は私も此処にいるから一緒に寝よう」

そう言われて頷いて冷たいベッドに二人で入る

何時もは握りしめてる人形を横に置いて目を瞑っても呪いの声は聞こえなかった

翌朝、彼女はいなくて偶々きた中也さんに聞いたら

「彼奴が夜、外をぶらぶらしてたから取り敢えず牢屋に入れて今朝彼奴の兄が引き取りに来たんだよ」

流石に未成年を理由なく殺すわけには行かないと言いながら中也さんは溜息をついた

多分、これはAへの恋なんだろうな

「Qちゃん」

毎夜窓にやってくる彼女はぼくだけの秘密




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Q「リクエストありがとう！今夜も来てくれるよね？」

大和撫子 <条野採菊><末広鉄腸>→←我が妹よ <澁澤龍彦>

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