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夏休み明けの東京遠征。練習と試合を繰り返しながら、汗水垂らすそれはあまり好きではない。しかし、加えて兄のチームにも参加して、バレーとともに過ごすことが増えてきたのは明らかに前とは違うと自覚していた。
それはきっと変化、とも呼べるんだろう。
｢なんか、変わった？｣夏休み明け初日に言われた言葉はそう考えれば的を得ていたのかもしれない。それを聞いた時には何言ってんだと、ただ思うだけだったがそう言われてみればそうだ。
あの日山口から怒鳴られた言葉に対して、他人から見て"変わった"と言われるくらいには自分の気持ちに響いていたのかもしれない。……といってもまだ全然分からない事だらけで、バレーにハマる瞬間もなにも無いのだけれどきっと価値観が変わったのだ。
就寝時刻が迫ってくる中、テンションが上がっているのか騒いでいる人達からの巻き添えを喰らわないように部屋から飛び出した。薄暗い廊下を暫く歩いて喉が渇いたなと感じ、自動販売機のあるところまで歩く。自分の足音だけがやけに響いて嫌な感じだ。
自動販売機の明るい光が先に見えて、そこへと進む。適当にココアでも買って自動販売機の隣に寄りかかった時、ポケットに入れたスマホが振動した。
『新着メッセージがあります』
そう表示された通知とAの名前。片手にスマホを持ち、パスワードを解除して通知をタップする。
その時声が掛かった。
｢おーなにしてんだツッキー｣
｢う、わ……なんですか黒尾さん｣
一番嫌な人に見つかったと内心思いつつも、姿が見えた瞬間にスマホをポケットに入れた。くそ既読付けたのに、そう思ってどうにか目の前の人を回避する方法を考える。
一瞬誰だか分かんなかったけど、背丈と髪色で判断した髪の毛の垂れ下がった黒尾さん。胡散臭い笑みを浮かべるところは相変わらずで全てを見透かされるような笑みは不信感すら感じた。一見別人に見えるから若干不気味だけど。
黒尾さんはへらへら余裕な感じで自動販売機の前で立ち止まる。
｢なに、って俺は飲みもん買いに来ただけだけど？ツッキーはスマホ片手にどうしたんデスカ〜｣
態とらしい言い様にイラッとくるがこの人にムキになっても仕方ないことくらい知っている。思わず出そうになる溜め息を止めた。はぐらかしたり、戻ろうとしても結局見えてくる結末が変わらないことを想像して落胆する。
ちゃりんとお金の音が静かな廊下に響いた。
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辛 - 日本語化ちょいちょい変。てにをはもおかしい。無理に難しい言い回しわ使わない方がいいと思う。 (9月11日 12時) (
レス) @page26 id: 5015934a65 (このIDを非表示/違反報告)
む - めちゃくちゃ良かったです。他の作者様だと冷たかったり口が悪い月島が多いですが、このお話の月島は冷た過ぎず、他人に干渉し過ぎず距離感がちょうど良かったです。とても上手に表現していると思います。告白も月島からなのが良かったです。 (2021年4月18日 4時) (レス) id: be1d7978bd (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - むさん» 本当に長らくお待たせしました……！皆の感情にどう現実味を出すかたくさん考えていたのでそうやって受け取って貰い感無量です。全文私にとって嬉しく糧になるお言葉です。読んで下さり本当にありがとうございました！ (2021年2月10日 10時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
む - 更新楽しみにしていました！ 皆の心の動きがとてもリアルで、ツッキーはこんな子とこういう恋愛をするのだろうな、と胸にストンと落ちました。等身大の高校生なこの作品がとても好きです。 完結おめでとうございます！ (2021年2月9日 2時) (レス) id: 727df39cb7 (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - なづなさん» コメントありがとうございます！テーマとしている高校生感を感じ取って下さりとても嬉しいです……！ゆっくりですが完結までついてきて頂けると有難いです。応援ありがとうございます！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KOMORE | 作成日時：2020年1月14日 22時
