記録�� 彼女ってゆーか 1/3 ページ5
『朝だよ、タマちゃん』
「ウゥン…」
『今日はバイトの日でしょ、もう』
ヒロミツは溜め息をひとつ落とすと、意識を集中してエアコンに念を送った。すると、ピッという起動音と共に暖かい風邪が流れてくる。
「ありがとぉミツ」
『早く布団から出なよ、お寝坊くん』
玉森はのそりと身体を起こした。時計を確認すると時刻は9時26分。出勤は10時から。朝食をとる時間はない。
「顔洗お…」
洗面台に立つとミツも俺の後ろにやって来る。フヨフヨ浮いて色々話し掛けて来ているが、鏡越しにはミツの姿は写らない。
Yシャツに腕を通して、気合いを入れる。次は冷えきったスラックスに脚を通さなければならない。
「うっ…」
『うわー…冷たそー』
「み、ミツがエアコンつけてくれてたから、まだ…マシ…」
そう唸りつつも、身体は自然と震える。だから嫌なんだ冬の朝は…。
身仕度が終わるとミツは玄関まで見送りに来てくれる。
…なんか、新婚さんみたいだよね。
「…あ、今日はバイトの後飲み会あるから、帰ってくるの遅くなるよ」
『おー！楽しんでなー、行ってらっしゃい』
…ふふ、やっぱり新婚さんだよね。
◆◇◆
「た〜まちゅぁあん♪」
「宮田、会うたび抱きついて来るのを止めろ」
「いだだだッ…それを言うならタマもすぐにアイアンクローする癖直した方がいいよっ！」
「お前が嫌がってたらな」
鼻の下を伸ばしてヘラヘラしている顔を睨み付ける。それでも宮田はめげることなく玉森の隣に腰を下ろした。
バイトのメンバーとの飲み会は久々だったが、ほとんど毎日会ってるので新鮮味はまったくない。
「…でもさ、ちょい前まで元気なかったのにさ、最近楽しそうだよね。……彼女でもできた？？」
「俺、元気なかったか…？」
「えー心霊現象がすごいって萎えてたじゃん。いやつか彼女についてはスルー？スルーなの？」
そうか。ミツの存在が判明してからは宮田とはシフト被ってなかったんだ。あの時はまさかこんなことになるなんて想像もしてなかったからな。今の俺は霊媒師タマ！なんつってな。
「だから出来たのってばー！か・の・じょ！！」
そこからは宮田にしつこく彼女について問われ続けた。他のメンバーも俺の恋愛話なんて興味ないだろうに、宮田のせいでその話題一点で飲み会は進められた。
記録�� 彼女ってゆーか 2/3→←記録�◆〕�霊と同居を始める 2/2
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daimomm(プロフ) - 紅葉ぽてぽてさん、こんにちは。またお邪魔してきました。何回目かなぁ。大好きなお話。毎回みっくんの正体がわかったところから号泣必至です。また地縛霊みっくんに逢いたくなったら来ますね。 (2019年9月22日 9時) (
レス) id: a9155c8926 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - りんちゃさん» りんちゃさん、感想ありがとうございますー！！ わわーー！勿体ないお言葉ですっ！泣いていただけたなんて…書き手冥利に尽きますっ！！ まだ連載中の物もありますので、今後とも、どうぞ良しなに(*´ω｀*) (2018年4月24日 20時) (レス) id: bb26a8e9d1 (このIDを非表示/違反報告)
りんちゃ(プロフ) - はじめまして。紅葉ぽてぽてさんの小説を初めて読ませて頂いたのですが、文章も読みやすくてどれも面白いし、素敵なお話でした。彼が死んだ日を探す旅はタイトルにつられて読んだのですが感動してぼろぼろ泣いてしまいました笑 (2018年4月24日 1時) (レス) id: fdb9918149 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - daimommさん» 実は初期の段階で玉北エンドも考えていたんですが、しかしなにせ20年待ち続けてる藤ヶ谷さんがいらっしゃったので、今作では藤ヶ谷さんに軍配が上がりました。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年2月24日 17時) (レス) id: 55d0077256 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - daimommさん» daimommさん、感想ありがとうございます！私も藤北の生活を書きたかったです。この藤ヶ谷さんは人気俳優なので、撮影現場に連れて行ってもらった北山さんがうっかりカメラに映り込んでしまって本物の心霊映像が出来あがっちゃったり…妄想は膨らむばかりです笑 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 55d0077256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉ぽてぽて | 作成日時：2017年3月17日 4時
