記録� ，修い弔論莉纂圓世辰� 1/2 ページ1
「タマ？どうした眉間に皺なんて寄せて〜可愛いお顔が台無しだぞ★」
考え事をしていた俺の頬をつついて来たのは、バイト先の友人である宮田だ。
「……宮田か」
玉森は宮田の首に上手く腕を絡ませヘッドロックで返した。
「痛い！痛い！ ぎぶ！！」
「俺の話真面目に聞くか？」
「聞く！聞きます！聞かせてくださいっ！！」
パッと腕を解放してやると宮田は「ふぅ〜危うく殺されるとこだったよ」と満面の笑み。そんな宮田をスルーして玉森は神妙な顔つきになった。
「俺の部屋さ、もともとラップ現象とかスゴいんだけど…なんか最近特にヤバいんだよ」
「え、タマって霊感とかあったっけ」
「いや、ないと思ってたけどさ…」
そう、俺の悩みの種は最近部屋で起きる心霊現象だ。
夜中にトイレの水がひとりでに流れたり、エアコンガンガンにかけてるはずなのにちょー寒かったり、朝起きたら物が移動してるなんてざらだ。
極めつけに昨日なんて押入れから人の呻き声みたいなのが聞こえてきた。
「なにそれコワッ！絶対なんかあるよ…ワケあり物件ってやつじゃない？」
「でも契約するとき不動産会社からなにも言われなかったんだよな。…ただ他の部屋に比べて格段に安かったくらいで」
「いやそれ絶対アウトなやつ…」
◆◇◆
バイト終わりに宮田を部屋に誘ってみたが、まぁ来るはずもなく一人で家に帰ってきた。
いつもの部屋。でもやはりどこか違和感を感じる。ここ最近ずっとそう。誰かがいるような…見られているようなゾワゾワする感覚がする。
玉森は部屋の真ん中に立つとキッと目付きを鋭くさせた。神経を尖らせて、気配に集中する。
「ん……やっぱり押入れが怪しい…」
恐る恐る押入れに近づくと、数回ノックをしてみた。
…特に何も起きない。
「うぬぬぬ……」
閉ざされたままの押入れと向き合って10分ほどたっただろうか。
いや何この緊張感。なにやってんの俺。
「……はぁ…」
なんだかバカらしくなってきて、思いっきり扉をあけた。
案の定、中には来客用の布団しか入っていない。
…ま、だよな。アホらし。
ため息混じりに扉を閉めようとすると視界の端になにかが写った。奥の方で何かが室内灯に反射してキラリと光っている。
なんだこれ…壁と床の間に挟まってる。
「指輪…？」
『あ、やっと見つけてくれたー！』
え、
声のする方を振り返ると、そこには同い年くらいの青年が宙に浮いていた。
人が…浮く？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
daimomm(プロフ) - 紅葉ぽてぽてさん、こんにちは。またお邪魔してきました。何回目かなぁ。大好きなお話。毎回みっくんの正体がわかったところから号泣必至です。また地縛霊みっくんに逢いたくなったら来ますね。 (2019年9月22日 9時) (
レス) id: a9155c8926 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - りんちゃさん» りんちゃさん、感想ありがとうございますー！！ わわーー！勿体ないお言葉ですっ！泣いていただけたなんて…書き手冥利に尽きますっ！！ まだ連載中の物もありますので、今後とも、どうぞ良しなに(*´ω｀*) (2018年4月24日 20時) (レス) id: bb26a8e9d1 (このIDを非表示/違反報告)
りんちゃ(プロフ) - はじめまして。紅葉ぽてぽてさんの小説を初めて読ませて頂いたのですが、文章も読みやすくてどれも面白いし、素敵なお話でした。彼が死んだ日を探す旅はタイトルにつられて読んだのですが感動してぼろぼろ泣いてしまいました笑 (2018年4月24日 1時) (レス) id: fdb9918149 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - daimommさん» 実は初期の段階で玉北エンドも考えていたんですが、しかしなにせ20年待ち続けてる藤ヶ谷さんがいらっしゃったので、今作では藤ヶ谷さんに軍配が上がりました。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年2月24日 17時) (レス) id: 55d0077256 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉ぽてぽて(プロフ) - daimommさん» daimommさん、感想ありがとうございます！私も藤北の生活を書きたかったです。この藤ヶ谷さんは人気俳優なので、撮影現場に連れて行ってもらった北山さんがうっかりカメラに映り込んでしまって本物の心霊映像が出来あがっちゃったり…妄想は膨らむばかりです笑 (2018年2月24日 16時) (レス) id: 55d0077256 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉ぽてぽて | 作成日時：2017年3月17日 4時
