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1時間ほど車を走らせて、小高い場所にある神社にやってきた。
「来たことある？ここ」
『初めてです』
パワースポットとしてそこそこ有名な神社だったのでテレビや雑誌で名前と大体の場所は知ってたけど、来るのは初めてだった。
「あまり興味ない？こういうとこ」
『いえ。気にはなってたんですけど、交通の便が良くなくて…私車持ってないですし』
「そっか。ならちょうど良かった」
早めの時間に家を出てきたけど土曜日ということもあり、他の参拝者もそこそこ見受けられた。
『よく来るんですか？お参りとか…』
「いや、実はお参りはあまりしなくて…こっちの方なんだよね」
そう言って加藤さんは駐車場を出て本堂ではない方の道へ入ってく。
『公園？ですかね』
「まぁ、遊具とかはないけど」
細い道を抜けると急に開けた場所に出て、駐車場から本堂への道とは違い、ボール遊びをする親子が1組いるだけだった。
「ここ、俺のお気に入りで。ここでしばらくぼーっとしながら小説の設定考えたりとか…
まぁだから1人でしか来たこと無かったんだけど、Aちゃんにもこの景色見せたいと思って」
そう言いながら一番奥に1つだけあるベンチに誘導される。
『ほんと、いいですね。こんなとこあったなんて全然知りませんでした』
「みんな神社の方ばっかり行っちゃうからね」
そこからは、さっき通ってきた道やその手前の住宅地、ショッピングモールの大きな観覧車まで良く見えて、さらにその奥には海も見える。
「ここらにあるの、全部桜の木なんだよね。だから、桜が咲いたらまた来ようよ」
加藤さんに言われて後ろを振り返ると、確かにこの公園をぐるっと囲むように桜の木が植えられていた。
『いいですね、お花見』
「うん。俺弁当作るし」
『楽しみにしてます』
それからしばらくベンチに並んで座ったまま、ぼーっと景色を眺めてお互いの仕事とかこれまでの話をして、そろそろ車に戻ろうかと立ち上がって歩き出す。
「ねぇ、Aちゃん」
『はい？』
名前を呼ばれ、少し歩くスピードを落として加藤さんの方を見ると、加藤さんは立ち止まって遠慮がちに手を握る。
「あ、いや…寒いかなって。
せっかくだし、お参りしてこうか」
『はい…』
なんとなくぎこちない空気のまま、手を繋いで公園を後にした。
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まり(プロフ) - ぽ わ た す 。さん» コメントありがとうございます(*^^*)読者の方には主人公に自分を重ねて読んで頂けたら、と思って書いていたので嬉しいです(*^ω^*)これからも引き続きよろしくお願いします！ (2019年3月20日 0時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ わ た す 。(プロフ) - 初めまして！情景が本当に浮かんでウキウキしながら読んでました！主人公の自信の無い感じとか自分に重ねたり、としていましたが、本当にいい作品です！次作も読もうと思うので楽しみにして待ってます（≧∇≦） (2019年3月19日 23時) (レス) id: 1a6840d4ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ゆっちゃんさん» コメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです(>ω<〃)〜引き続きお付き合いよろしくお願いします！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - シゲ担なんでこれ読むたびにキュンキュンしますww 他の３人のも読もうと思ってます！お疲れ様でした！頑張って下さい(о´∀`о) (2019年3月19日 23時) (レス) id: cfad8bd8ff (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます(*^^*)何回も読んで頂けてるということで、とっても嬉しいです(o´艸`)これからも引き続き宜しくお願いします。 (2019年3月2日 14時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まり
| 作成日時：2019年2月14日 0時
