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2回目の抗がん剤 ページ29

先生はすぐ抗がん剤を始めてくれた。

2回目の抗がん剤は、

どれだけしんどいかとか、分かってるからか

精神的には辛くなかった。

体力が回復してなかったから、

体はめっちゃしんどかったけど…。

でも、メンバーとかお見舞いに来てくれて。

頑張ろうって思えて頑張れた。


そして、昨日ついに抗がん剤が終わった。

ちょうど入院してから1年くらい。


「なっがいなぁ〜。いや、短いか」


細かった体はもっと細くなった。

皆んな私だってわかんのかな?ってくらい。


「…効き目どうなんやろなぁ」


そう呟いた直後、

先生が私の病室へと入ってきた。


医「……抗がん剤の効き目を言いますね」


少し俯いてそういった先生。

…だから、この時点でわかるって。


医「抗がん剤の効き目はっ………」


「無かったんやろ?」


パッと顔を上げる先生。

その顔を見たままニコッと笑ってあげた。


医「はい、ほぼありません。それより…癌がもっと進行していて。」


「うん」


医「余命が……。っ…」


「うん」


医「1年も…ないです…」


……それを聞いた瞬間頭を殴られたような気分だった。

ガーンって、凄くクラっとした。


「ふふ、そっかー。じゃあ、もう抗がん剤やっても効果出る見込みないってことやんね。」


医「そうですね…延命治療に変えて、過ごしていただいたほうが……私としてはそちらの判断の方がよろしいかと思います。」


「そうなるやんな。」


うーんと考えるふりして、

返事は明日する事になった。

それからなんかちょっとだけ話しされて、

先生は病室を出て行った。


もう慣れた1人の病室で、

窓の外の空を見ながら、

ため息をついた。


「どうしよーかな。って答えは決まっとるか。」


私としては、もう別に抗がん剤やらへんでもええ気持ち。

だって、意味ないんやもん。

だから、緩和ケア移って延命治療する一択やけど、

…………。

布団をガバッと被って呟く。


「……死ぬの待つようなもん…やん。」


渋「…何が?」


「わぁぁあっ…すばちゃん…!」


いつのまにかすばちゃんが遊びにきてた。

な、なんでこう心臓に悪い事するん……。


渋「死ぬの待つようなもんって何が?」


顔近づかれて、透き通った瞳で迫られる。

ひ、ひぃぃぃ怖い…。

死ぬのを待つ→←2



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きなこもち(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます(><) (2019年8月26日 1時) (レス) id: c67b1fa7d6 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新お疲れ様です!! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5e17f1adf7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年12月14日 6時

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