二十三 ページ23
シャロンは俺の正体を含めて愛してくれていたし、俺も一緒にいてこれ以上楽しい女はいないと思っていた。毎日が幸せで、俺達はニューヨーク一のコンビだった。
「私達に子供が出来たらどうする?」
「それどういう意味だよ」
「別に。聞くだけよ。女の子が良い? それとも男の子?」
「はぁ? んなもんどっちでも良いってー」
俺達はカップルならではの会話を楽しんでいた。互いに歩幅を合わせ、俺の御屋敷(家)に沿って長い道をゆっくり歩いていた。石畳の道を街灯が照らし、庭の枯れて紫色になった草が少しだけ不気味さを漂わせていた。肌寒かったが空気が透き通っていてすがすがしい夜だった。
そういえば、あの時も、……「こんな夜だった気がする」。
俺はポーチ(屋根)に行って煙草を吸い始めた。煙草をくゆらせ、思い出にふけていた。俺は星のない夜空を眺め、楽しい思い出と辛い思い出の狭間に立ち呟いていた。「シャロン……」
何処にも届くはずのない言葉は、ただ俺の心の中で消えていく。
家に入ると、いきなり銃声が。シャロンは心臓を撃ち抜かれ、十秒足らずでこの世を去った。俺はどんどん冷え切っていくシャロンを腕に抱き、わんさか泣いていた。名前をいくら叫んでもシャロンには届かなかった。
「おかえりなさい。ジェームズ。貴方に許嫁が出来たわ。その子を焼却炉に入れて早くリビングにいらっしゃい」
撃ったのは俺の義母だった。冷血な眼差しは俺の憎しみの点火源になった。俺は胸ポケットからハンドガンを取り出し、背を向けた義母に撃った。俺は獣のように叫び、義母に飛び掛かった。義母は狂った俺に発砲しようとしたが、外れてシャンデリアに。それはシャロンに命中し、人間であってそうではないものになった。義母に義父を呼ばれ、勝ち目がないと判断しその場を引いた。遊び半分で使い、まともに教えてもらったこともないハンドガンの腕を武器にする俺と、裏の世界で一流とまで言われているハンドガンの腕を武器にする義父とではあまりにも無謀すぎた。
俺はスプリングフィールドのダウンタウンにまで逃走し、生屋をやっているキャロルさんに拾ってもらった。これが大まかな筋だ。
そして、昨日親の元に一度帰ってみた。親には会いたくもなかったけれど、シャロンにも会いたかったし、リーダーを務めていた以上、傘下の近況も聞きたかった。でも、第一の理由は親とのケジメをつけたかったからだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 椋香さん» 毎度、暖かい目でみて頂いて感謝しております。ロバート&キャロルシリーズは、キャラ設定の割にハードボイルドなお話なんですよね。かみ合わない所が俺的にはツボですが(苦笑) 椋香先生はこういう系が好みなのかな? また機会があれば楽しく書きたいです! (2015年6月7日 20時) (レス) id: e81dc0df4c (このIDを非表示/違反報告)
椋香(プロフ) - 読了しました〜。言われてしまうと、裏設定書き込んでほしくなります…。今回も楽しく読ませていただきました♪またこのジャンルにも挑戦してみてください!こんな未来にならないことを祈りつつ…。 (2015年6月7日 16時) (携帯から) (レス) id: 79a496978a (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - ふたまさん» 感想ありがとうごうごさいます(*´∀`) このお話は書き始める前から仕込んでいたネタだったので、そう言っていただけると嬉しいです。これからも頑張って書き続けます。ありがとうございました♪ヽ(´▽`)/ (2014年11月5日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
ふたま(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!話が深くて超面白かったです…!書き方がお上手で憧れます(/∀\*)これからも頑張ってくださいね! (2014年11月5日 20時) (レス) id: fd0c711392 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 感想ありがとうございます!(*^^*) 改行は縦書きはなしで、横書きは幾つか入れた方がいいそうです。改行ない方が正しいと思っていて、この作品は入れなかったのですが、最近知って修正しました。描写についてはまだ改善案があると思うのでがんばります(><) (2014年7月24日 12時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ:
作成日時:2013年9月14日 23時