3話 ページ4
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『 … 彼氏です。 』
「 … ？ 」
『 彼氏に、家を、… 追い出されたんです。 』
「 え … 」
「 彼氏さんに？ 」
ここまで手当てしてくれておいて、何も話さないのは不義理だろうと思って話し出す。
ぽつぽつと話し出した声は小さくて、2人に届くかどうか分からなかったが
それでも2人は聞き取ってくれていた。
『 世間で言う、DV彼氏、っていうか。そんな感じの人で、… 』
『 今日、怒らせちゃ、って … それで、 』
そこまで言って、もう言葉が出なくなった。
思い出すだけで苦しくなって、気持ち悪くて、涙が出そうで。
今思えば、今日まで続いていたことが恐ろしい。
顔を少しあげれば、2人が戸惑った顔でこちらを見ていた。
そりゃそうだ、初対面の人相手にこんな話しても困るに決まっている。
ようやく今の状況を思い出し、慌てて立ち上がる。
『 ごめん、なさい。もう帰ります。 』
『 ココアも、傷も、ありがとうございました 』
「 え … でも、 」
「 帰る家あるんすか 」
『 … え 』
「 …… その彼氏さんの家帰るくらいなら此処にいれば 」
そう言って 目線をこっちにやり、初めて目が合った。
綺麗な赤色の瞳が銀髪の間から覗いていた。
『 … い、や、いや、大丈夫です、ほんとに、あの … 』
『 どこかホテルかなにかに泊まるので、 』
「 お姉さん何にも持ってないのに？ 」
『 … あ、…… 』
そうだ。持ち物は全部家にある。所持金は0ということだ。
それでも、それでもこれ以上2人にお世話になる訳にはいかなかった。
「 今夜だけでも泊まっていけばいいんじゃないですか？ 」
「 もう夜遅いですし。こんな時間に女性一人って、危ないですよ。」
「 … 遠慮、しなくていいっすよ 」
『 … でも、でも、あの … 』
「 … あーもう、良いからほら、お風呂入ってきてください？ 」
「 その為にさっきわざわざ沸かしたんですよ 」
ぐいぐいと背中を押される。どうやらもう観念するしか無さそうだ。
ここはもううだうだ言ってないで、今夜だけお世話になろう。
そう思って、椅子から立ち上がった。
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にゃーちゃん - つづきがとても気になります！更新楽しみにしてます！ (2022年11月2日 14時) (
レス) @page6 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年6月28日 18時
