チョコレートが六十六個 ページ23
左手が熱い。
熱くて冷たい。
そんな未だに血を流し続ける左手をぼぅっと眺める。
なぜ、あの時手を離してしまったのか。
そんな後悔が私の胸の中を埋め尽くす。
その時、柔らかい、温かいものが私の左手に触れた。それは、私の血を吸って白色から赤色へと変化していく。
「……山崎」
「止血……しなきゃね」
私よりも大きくてゴツゴツとした男性の手が、私の左手を包み込む。山崎はハンカチを使って器用に応急処置を施していく。
大したことないのに…と言えば、出血量がえげつないよ、と苦笑いで返ってくる。
「ごめん……」
そう謝れば、何が？ と答える。彼を見れば、優しい笑みを浮かべていて、手は痛くない？ と優しい言葉をかけてくる。
今はその優しさがとても痛い。 その優しさが私の良心に突き刺さる。
「いろいろと……ごめん」
「なんで？ 別にAちゃんは何も悪いことしてないでしょ？ ……俺の方こそごめんね。頼りなかったでしょ」
「……うん」
「ほ、本当にごめんなさい」
冗談だよ、と言えば、目が本気だよ、と半笑いで返ってくる。
あの会話を聞いて何も問わないのか、なんて聞ける勇気は私には無くて、彼に殺された浪士を処理する山崎をじぃっと見つめる。
それも終わったらしく、山崎が此方に振り返ると私の視線に気がついたらしく、戸惑いながら、
「俺の顔に何かついてる？」
と不思議そうに聞く。首を左右に振れば、ズキリと刺されたところが痛む。
私が顔をしかめたからか、山崎は、帰ろうかと歩き始める。
小走りで山崎に追いつき、隣を歩く。
「あーあ、トシに怒られるかなァ……。結局何も情報掴めなかったや」
「まぁ、そういう日もあるよ。俺だってしょっちゅう副長に怒られてるし……」
それよりも……と山崎は続ける。
「副長は怪我したことについて怒るかもね」
「あー、変なところで過保護だからねェあの子」
「いや、過保護というよりシスコ……やっぱ何でもないよ」
山崎の言わんとすることが何となく分かる。しかし、今はそれよりも問題がある。
「……やっぱり山崎にあんぱんやらなきゃ良かった」
ぐぅ……と情けない音を出す私のお腹。
2人でお互いの顔を見つめ合い、クスリと笑ってから、今の居場所である真選組屯所へ再び歩き出した。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物……かもしれない！
誰かのもんじゃ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか？(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (
レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって！？可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう！！ 今回はどうでしょう？もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては？← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター！？！？ほっ他のもあっありますよね？妙さんに嫌われているのでしょうかね？近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…！ ……最近、嫌な思い出はありませんか？そんなときは、ダークマター！ 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます！もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です！！ …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと！？ (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨音 | 作成日時：2019年7月21日 21時
